「安定していると言われて入ったのに、続けるなという話ばかり出てくる」 「この経験は外で通用しない、と何度も言われた」 「辞めたほうがいいのか、辞めたら何も残らないのか」
辞めることを考えて、最初に公務員試験の案内を開いた。関心の形で37業界を並べると、この業界にいちばん近いのは公務員(行政)ではなく、鉄道・航空・海運です。
「警察・消防・自衛隊はやめとけ」の中身は、だいたい5つです
| # | 言われていること | このデータで見えること |
|---|---|---|
| ① | 危険な仕事だ | 公表資料で確かめる |
| ② | 上下関係が厳しい | 働いている人に聞く |
| ③ | 私生活が無い | 満足の置きどころなら言える |
| ④ | 潰しが効かない | 近い業界なら挙げられる |
| ⑤ | どうせ警察も消防も自衛隊も同じ | 半分は当たっています。ここが他の業界と違う |
①の危険度は公表資料の側にあります。②の上下関係は働いている人に聞くものです。この先で「関心」と書くときは、その仕事をしている人の興味がどこへ向いているかの数値を指しています。調べて突き止めること、決まった手順を回すことなどです。
③ 「私生活が無い」——勤務は測っていない。分かるのは重く見る度合い
測れているのは、その仕事をしている人が私生活との両立をどれだけ重く見ているかです。実際の勤務時間や当直の量は測っていなくて、求人票と現場で確かめる話です。そのうえで見ると、警察・消防・自衛隊は、37業界の中で最も低い数値です。
私生活との両立は、仕事に求めるもの11項目の中で業界どうしの差が最も小さい項目です。他の項目、たとえば専門性や雇用や生活の安定性は、その2倍以上開きます。業界どうしで比べても、平均が大きくは動かない項目です。 その、いちばん差がつきにくい項目で、この業界が最下位にいます。
もうひとつ。労働安全衛生を重く見る度合いは、37業界の下から2番目です。下にいるのは物流・ドライバーだけです。これは、実際の危険度より、重み付けの側の数値です。ただ、この業界の平均がこの2項目をあまり重く見ていない、というところまでは数値のとおりです。
④ 「潰しが効かない」——役所より先に、鉄道・航空・海運
警察・消防・自衛隊に興味の形が最も近い業界は、鉄道・航空・海運です。次が公務員(行政)です。役所よりも近くに、乗り物を動かす業界がいます。
決まった手順を回す関心は、鉄道・航空・海運とこの業界で同じ高さです。 共通しているのは、そこだと思います。
「潰しが効かない」と言われるとき、多くは求人や経歴の話をしています。興味の形の側から挙げられるのは、地続きの隣にいる業界の名前です。 近さは興味の形だけで、転職しやすさではありません。
⑤ 「どれも同じ」——いちばん開くのは、調べる関心
この業界は、業界名でひとくくりにしても、そこまで外れません。どの関心で見ても、8職種のあいだの幅は、37業界どうしの幅より小さくなりました。 いちばんそろうのは決まった手順を回す関心で、8職種の幅は37業界どうしの半分ほどしかありません。
ただ、割れ方がいちばん大きいところはあります。調べて突き止めることへの関心です。最も高いのは麻薬取締官、最も低いのは刑務官で、同じ業界の中に、突き止めることへの関心が高い職種と低い職種が、両方入っているわけです。
「向いていなかった」と感じたとき、それがこの業界そのものへの向き不向きなのか、その1つの関心なのかは、分けて考えられます。8職種でどう割れるかは、警察・消防・自衛隊に向いてる人へ。
「安定しか無い」——2番目は奉仕・社会貢献の重み
雇用や生活の安定性を重く見る度合いは、37業界の中で最も高い数値です。「安定を重く見ている」は、数値のとおりです。
上位には、ほかの項目も入っています。2位は奉仕・社会貢献で、37業界の3番目に入ります。「安定しか見ていない」という言い方は、この2位を落としています。 一方、3位の専門性は、37業界では21番目で、ほぼ真ん中です。
このデータの範囲で見ると、私生活を重く見る人と、表現したい人に当たる
- 私生活との両立を重く見る人。この業界の平均は、その重みが37業界で最も低い
- 様式に沿うより、自分の表現を持ち込みたい人。表現することへの関心は37業界で最低です
- 業界名ではなく、職種で自分の居場所を作りたい人
職種ごとの調べて突き止める関心のほうを見ている人には、⑤は当たりません。関心と、大事にするものの形で当たらないのは、次のような人です。
- 自分の仕事が誰かの安全に直結していることに、意味を感じる人。奉仕・社会貢献は37業界で3番目です
- 決められた手順を、毎回同じように踏むことに抵抗のない人
まとめ——いちばん近い隣は、役所ではなく乗り物を動かす業界
- 「潰しが効かない」は、近い業界なら挙げられる。最も近いのは鉄道・航空・海運、次が公務員(行政)。実際に移れるかは求人と経験しだいで、このデータの外
- 「どれも同じ」は半分当たっている。関心はどれを見ても業界の中の幅が業界どうしの幅より小さい。その中で、業界の中でいちばん開くのが調べて突き止める関心で、ここは職種を見たほうがいい
- 「私生活が無い」は、満足の置きどころなら言える。この業界は37業界で最低で、この項目そのものが、11項目の中で業界どうしの差がいちばん小さい
合っていないのがこの業界なのか、8職種のうち選んだ1つなのか。3つまとめて語られる話を読み続けるより、ここを自分で分けるほうが早い。「やめとけ」が正しいかどうかは、その先です。公務員試験の案内を開く前に、関心の形でいちばん近いのは鉄道・航空・海運だということは、移れるかどうかとは別に、知っておいていいと思います。
どちらかが決まったら、警察・消防・自衛隊の転職エージェントの選び方へ。
関連ページ
- 警察・消防・自衛隊に向いてる人——8つの職種で、どこが割れてどこが揃うか
- 鉄道・航空・海運は「やめとけ」と言われる——警察・消防・自衛隊から見て37業界でいちばん近い相手
- 業界別の向き・不向き一覧——37業界を1枚の表で
警察・消防・自衛隊の職業を1つずつ見る
この記事の根拠
判定の元になった数値
このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
業界平均(向き方)
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 警察・消防・自衛隊 | 3.43 | 3.04 | 2.18 | 3.75 | 3.13 | 3.47 |
| 鉄道・航空・海運 | 3.50 | 2.98 | 2.43 | 3.47 | 3.01 | 3.48 |
| 公務員(行政) | 3.11 | 3.24 | 2.44 | 3.58 | 3.10 | 3.46 |
| 臨床検査・医療技術 | 3.76 | 3.36 | 2.59 | 3.78 | 2.79 | 3.47 |
| 士業 | 2.60 | 3.26 | 2.26 | 3.86 | 3.49 | 3.50 |
| ビルメンテナンス・施設管理 | 3.37 | 2.81 | 2.30 | 3.30 | 2.82 | 3.37 |
| 建設・施工管理 | 3.58 | 3.13 | 2.76 | 3.46 | 3.36 | 3.14 |
| 物流・ドライバー | 3.18 | 2.61 | 2.40 | 2.87 | 2.54 | 3.20 |
太字はこの表の中での最小値で、表現することへの向き方 2.18・調べて突き止める向き方 2.61・人を説得し動かす向き方 2.54 は、37業界でも最低です。
37業界での位置(警察・消防・自衛隊):表現することへの向き方 2.18 は37業界で最低(2番目に低いのは 士業 2.26)。決まった手順を回す向き方 3.47 は4番目(臨床検査・医療技術と同値)。手を動かして形にする向き方 3.43 は16番目(美容・理容と化学・素材・日用品製造 3.44 と同率)。人と関わる向き方 3.75 は12番目。人を説得し動かす向き方 3.13 は17番目。調べて突き止める向き方 3.04 は22番目。
仕事価値観(11項目・警察・消防・自衛隊)
| 項目 | 値 | 37業界での位置 |
|---|---|---|
| 雇用や生活の安定性 | 4.09 | 1番目 |
| 奉仕・社会貢献 | 3.72 | 3番目 |
| 専門性 | 3.63 | 21番目 |
| 自己成長 | 3.54 | 16番目 |
| 達成感 | 3.38 | 22番目 |
| 自律性 | 3.25 | 27番目 |
| 良好な対人関係 | 3.24 | 26番目 |
| 社会的認知 | 3.23 | 7番目(公務員(行政)と同値) |
| 報酬 | 3.23 | 6番目 |
| 労働安全衛生 | 2.83 | 下から2番目 |
| 私生活との両立 | 2.82 | 37番目(最低) |
これは「実際にどうか」ではなく「その仕事をしている人が何を重く見ているか」の数値です。 実際の危険度・勤務時間・年収は、このデータには入っていません。
11項目それぞれの、37業界での幅:専門性 1.66(1位)/雇用や生活の安定性 1.43(2位)/社会的認知 1.42(3位)/報酬 1.35(4位)/奉仕・社会貢献 1.30(5位)/自己成長 1.23(6位)/達成感 1.21(7位)/自律性 1.05(8位)/労働安全衛生 0.89(9位)/良好な対人関係 0.81(10位)/私生活との両立 0.70(11位=最小)。
私生活との両立の下位3業界:警察・消防・自衛隊 2.82/建設・施工管理 2.89/マスコミ・放送・出版 2.89(下の2つは同値)。最高は 士業 3.52 です。
労働安全衛生の下位3業界:物流・ドライバー 2.78/警察・消防・自衛隊 2.83/製造技能(金属加工)2.87(ビルメンテナンス・施設管理 2.87 と同値)。最高は 金融 3.67 です。
雇用や生活の安定性の上位5業界:警察・消防・自衛隊 4.09/公務員(行政)3.80/医師・歯科医師 3.69/金融 3.62/研究職 3.59。
業界内の幅:警察・消防・自衛隊の中で最も開くのは、調べて突き止める向き方の 1.34(麻薬取締官 3.75 ←→ 刑務官 2.41)。最も揃うのは 決まった手順を回す向き方の 0.44(航空自衛官 3.68 ←→ 消防官 3.24)。6つの向き方のどれで見ても、業界の中の幅が37業界の平均どうしの幅より小さくなっています。
比較に使った37業界の幅:手を動かすことは 1.17/調べて突き止めることは 1.53/表現することは 1.75/人と関わることは 1.55/説得し動かすことは 1.24/手順を回すことは 0.89。職種ごとの内訳は 警察・消防・自衛隊に向いてる人 へ。
近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。警察・消防・自衛隊に最も近いのが鉄道・航空・海運、次が公務員(行政)。37業界の中で「最も近い相手までが遠い」業界は、研究職とコンサルです。
警察・消防・自衛隊に含めた職業:警察官(都道府県警察)/海上保安官/麻薬取締官/刑務官/陸上自衛官/海上自衛官/航空自衛官/消防官の8職業の平均です。国家公務員(行政事務)・地方公務員(行政事務)・税務事務官・国際公務員・社会教育主事・労働基準監督官は、公務員(行政)のほうに分けており、こちらでは数えていません。
このデータに含まれていないもの:年収・労働時間・当直や待機の量・求人数・採用試験の内容や難易度・倍率・階級や職階・実際の危険度や事故率・勤務地や異動の仕組み。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)