「人の役に立つ仕事がしたいと思って入った」 「同じ資格の人が、まったく違う話をしている」
「向いている人=優しい人」という説明しか出てこない。その説明では、6つの職種を分けられません。
目の前の人の変化が、そのまま手応えになる人
この業界の6職種に共通しているのは、ここまでです。その先は、次の4つに分かれます。
- 理由が分かるまで下りていきたい人
- その場で正確に手を動かしたい人
- 生活のそばにいたい人
- 作ったり組み立てたりしたい人
共通しているのは、人と関わる向きの高さだけです
6職種のあいだで最も大きく開くのは、「調べて突き止めることへの向き方」です。ここでいう向き(向き方)は、6職種の人の関心がどこへ寄るかの数値です。最も高いのは理学療法士、最も低いのは訪問介護員です。理学療法士は、37業界の業界平均に並べると研究職に次ぐ水準。訪問介護員は、37業界のどの業界平均よりも下にあります。
業界の平均は、その2つの間に落ちます。「医療・介護」でひと括りにした数字は、6職種のどれとも一致しません。
一方で、人と関わる向き方は6職種すべてで高い。いちばん低い職種でも、士業の業界平均と同じ水準にあります。理学療法士にいたっては、このデータのどの職業と比べても最上位帯です。ここが動機に無い場合、6職種のどれを選んでも合いにくいと思います。
突き止めながら関わる型と、生活を支える型があります
① 突き止めながら、関わる人
理学療法士と薬剤師が、この型です。理学療法士は、調べて突き止める向き方も、人と関わる向き方も、手を動かす向き方も、6職種でいちばん高い。なぜそうなっているのかを考えながら、目の前の人に手を入れる。この3つが同時に要ります。
薬剤師は、調べる向き方に加えて、決まった手順を回す向き方が6職種で最も高い。 正確さと知識の両方が中心にあります。「人の役に立ちたいが、考える要素も欲しい」なら、この型がいちばん近い形です。
② 手を動かしながら、関わる人
看護師は、手を動かす向き方は高い一方、調べて突き止める向き方は中位以下にとどまります。判断より、その場で正確に手を動かすことが中心にある形です。理学療法士とは、調べる向き方で大きく離れます。同じ医療職でも、動機の置き場所が違うわけです。
③ 生活を支える人
訪問介護員と施設介護員の型です。訪問介護員は、調べて突き止める向き方も、人を説得し動かす向き方も、6職種で最も低い。そのうえで、人と関わる向き方は高いままです。
この形は、他の職種にはあまりありません。「人と関わるが、動かそうとはしない」という組み合わせで、分析でも説得でもなく、生活のそばにいることが中心です。
④ 表現を使う人
保育士は、表現することへの向き方が、他の5職種からはっきり離れています。歌う、作る、遊びを組み立てる。これは決められた手順を回すだけの仕事ではない、ということが数値の側から出ています。この値は、教育やマーケティングの業界平均より高い水準です。「子どもが好き」だけでは説明がつかない部分が、たぶんここにあります。
うまくいったとき、何が嬉しいですか
理由が分かったことなら①。その場を乗り切ったことなら②。相手が落ち着いたことなら③です。
- 手順が決まっていることに安心するなら②③。物足りないなら①
- 作ったり組み立てたりする時間が必要なら④の要素が強い。無くていいなら①②③
まとめ——突き止める・手を動かす・生活を支える・表現を使う
- 調べて突き止める向き方が大きく割れる。上端は37業界の業界平均で2番目の水準、下端はどの業界平均よりも低い
- 業界の平均は、6職種のどれとも一致しない
- 共通しているのは、人と関わる向き方が全職種で高いことだけ
先に決めるのは、人と関わる量が動機にあるかどうか。4つのどれかを選ぶのは、その後です。順番が逆になると、選んだ理由を後から言いにくくなると思います。
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この記事の根拠
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数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
医療・介護・保育の職業別(向き方)
| 職業 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 理学療法士(PT) | 3.40 | 3.69 | 2.64 | 4.37 | 3.03 | 2.92 |
| 薬剤師 | 3.22 | 3.36 | 2.25 | 4.09 | 3.10 | 3.49 |
| 保育士 | 2.95 | 2.86 | 3.33 | 4.15 | 2.97 | 3.27 |
| 看護師 | 3.33 | 2.79 | 2.42 | 4.08 | 2.81 | 3.18 |
| 施設介護員 | 2.76 | 2.50 | 2.51 | 3.87 | 2.99 | 3.04 |
| 訪問介護員 | 2.76 | 2.42 | 2.39 | 4.12 | 2.69 | 3.18 |
表の太字は6職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。
業界平均:現実的3.07/研究的2.94/芸術的2.59/社会的4.11/企業的2.93/慣習的3.18。上の6職種の平均です。
調べて突き止めること(研究的)を、37業界の業界平均と並べたとき
| 値 | 位置 | |
|---|---|---|
| 研究職(業界平均) | 4.14 | 37業界で最も高い |
| 理学療法士(1職種) | 3.69 | 業界平均に並べると2番目の水準(2位の法律・会計3.55を上回る) |
| 医療・介護・保育(業界平均) | 2.94 | 6職種の平均 |
| 物流・ドライバー(業界平均) | 2.61 | 37業界で最も低い |
| 訪問介護員(1職種) | 2.42 | どの業界平均よりも低い |
37業界の業界平均どうしで見た研究的の幅は 1.53(研究職 4.14 ←→ 物流・ドライバー 2.61)。6職種の幅 1.27 はこれに届きませんが、上端と下端はどちらも業界平均の並びからはみ出しています。
比較に使った業界平均:教育の芸術的は 3.20、マーケティングは 3.22、士業の社会的は 3.86。
このデータに含まれていないもの:年収・労働時間・休日数・求人数・年齢構成・業界の将来性・企業ごとの実態。数値はすべて、いまその仕事をしている人の回答の平均です。この記事は、治療や健康への効果について一切何も述べていません。
業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):近い順に、福祉・相談支援 0.455、販売・小売 0.505、ホテル・観光・ブライダル 0.545。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)