マーケティングに向いてる人、「バランス型」は平均の話——2職種は正反対

この記事の見出し(11項目)

「向いてる人の特徴を読むと、半分しか当てはまらない」 「数字も見るし、コピーも書く。どっちが本業なのか自分でも分からない」 「マーケティングが向いているのか、たまたま任されているだけなのか」

適性診断を受けても、結局「あなたはバランス型です」で終わった。バランス型と出るのには、理由があります。 マーケティングとして収録されている2職種が、そもそも正反対の形をしているからです。


30秒でわかること

37業界の中で高い
人を動かす3位
37業界の中で低い
手を動かす28位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

「良いものを作りたい」が先に来る人

良いものを作りたい、が先に来る人は、作る側に近い形をしています。正しい判断をさせたい、が先に来る人は、逆側にいます。「クリエイティブかデータか」ではなく、「作る側か、決める側か」。


業界平均は、実在しない値です

マーケティングの2職種を並べると、表現することへの向き方が正反対に振れています。 向き(向き方)は、興味の先がどこにあるかを職業ごとに測った数値です。高いほうがWebマーケティング担当、低いほうがマーケティング・リサーチャーです。業界平均は、この2つの真ん中にある値で、どちらの実態でもありません。診断で「バランス型」と出るのは、たぶんこの真ん中と比べられているからです。

Webマーケティング側はクリエイティブ・マスコミの業界平均に次ぐ高さで、リサーチャー側は飲食や販売・小売より低い。同じ「マーケティング」という言葉の中に、クリエイティブ寄りと分析寄りが同居しているわけです。


作る側と、調べて設計する側があります

① 作る側

Webマーケティング担当が、この型です。表現することへの向き方も、調べて突き止める向き方も、どちらも高い。数字を見て「なぜこうなったのか」を突き止めたくなる人。ただし突き止めて終わりではなくて、そこから何を出すかまでを自分で作りたい人に合うと思います。

② 調べて、設計する側

マーケティング・リサーチャーは、表現することへの向き方が、作る側から大きく離れます。代わりに、人を説得し動かす向き方が業界平均より高い。自分で作るのではなく、調べた結果をもとに「何をすべきか」を決めて、通す。ここが中心です。


2職種に共通するのは、人を動かす向きの高さ

人を説得し動かす向き方が、2職種とも高い。業界平均は営業とほぼ同じで、コンサルに近い水準です。施策を出すだけでは終わりません。予算を確保し、関係部署の合意を取り、経営に説明する。そこまでが1つの仕事として数えられます。

この工程を「本業の邪魔」と感じるか「本業の一部」と感じるかで、この並びとの重なり方が変わります。 ちなみに、決まった手順を正確に回す向き方は、士業や管理部門の担当より低い層にあります。


数字を見たあと、最初にやりたいことは何ですか

何を作るか考えるなら①。何が起きているのか整理するなら②です。

  • 他人が作ったクリエイティブに口を出したくなるなら①。判断材料として見るだけなら②
  • 資料を作る時間が苦痛でも楽しくもないなら、そこは動機の中心ではありません

表現と分析がどちらも上位なのは、37業界で5つだけ

表現する向き方と調べる向き方が、どちらも上位の層にある業界は、37業界のうち5つだけです。 マーケティングは、その1つです。残る4つは、クリエイティブ/マスコミ/美容/教育です。この5業界を並べると、人を動かす向き方がいちばん高いのがマーケティングで、手を動かす向き方がいちばん低いのもマーケティングです。

どちらかを選ぶ、という問いの立て方が合っていないのだと思います。数値の上では、両方が上位の層にある位置にこの業界があるからです。片方だけに関心が寄っている場合、近い形の業界は外にあります。


まとめ——作る側か、決める側か

  • 2職種しかないのに、表現する向き方が大きく割れる。業界平均はどちらの実態でもない
  • 共通しているのは、社内に通すところまでが仕事だということ(企業的)
  • 表現と分析がどちらも上位の層にある業界は、37業界のうち5つだけ。その中で、人を動かす向き方はマーケティングが最も高い

クリエイティブかデータかは、面談で聞くことができます。聞いても分からないのが、自分が作る側なのか、決める側なのか。こっちは自分で決めて持っていくものだと思います。

どちら側かが決まったら、マーケティングの転職エージェントの選び方へ。


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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的28位(3.07)研究的6位(3.43)芸術的4位(3.22)社会的22位(3.44)企業的3位(3.59)慣習的26位(3.09)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:マーケティングは37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

マーケティングの職業別(向き方)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
Webマーケティング(ネット広告・販売促進)3.073.633.653.403.493.21
マーケティング・リサーチャー3.073.222.783.473.692.96

業界平均:現実的3.07/研究的3.43/芸術的3.22/社会的3.44/企業的3.59/慣習的3.09。上の2職種の平均です。

比較に使った業界平均

業界現実的研究的芸術的企業的
クリエイティブ3.583.403.933.33
マスコミ・放送・出版3.473.473.703.43
美容・理容3.443.433.603.10
マーケティング3.073.433.223.59
教育3.193.353.203.30
飲食3.253.052.963.06
販売・小売3.282.772.843.24
メーカー技術職3.613.542.553.08
IT・エンジニア3.453.422.753.17

「表現と分析がどちらも 3.2 以上」の5業界:37業界のうち、芸術的も研究的も 3.2 以上あるのは クリエイティブ・マスコミ・放送・出版・美容・理容・教育・マーケティング の5つです。この5業界の中では、企業的はマーケティングの 3.59 が最も高く、現実的はマーケティングの 3.07 が最も低くなります。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):教員 0.58、飲食 0.74。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)