「向いてる人の特徴を読むと、半分しか当てはまらない」 「数字も見るし、コピーも書く。どっちが本業なのか自分でも分からない」 「マーケティングが向いているのか、たまたま任されているだけなのか」
適性診断を受けても、結局「あなたはバランス型です」で終わった。バランス型と出るのには、理由があります。 マーケティングとして収録されている2職種が、そもそも正反対の形をしているからです。
「良いものを作りたい」が先に来る人
良いものを作りたい、が先に来る人は、作る側に近い形をしています。正しい判断をさせたい、が先に来る人は、逆側にいます。「クリエイティブかデータか」ではなく、「作る側か、決める側か」。
業界平均は、実在しない値です
マーケティングの2職種を並べると、表現することへの向き方が正反対に振れています。 向き(向き方)は、興味の先がどこにあるかを職業ごとに測った数値です。高いほうがWebマーケティング担当、低いほうがマーケティング・リサーチャーです。業界平均は、この2つの真ん中にある値で、どちらの実態でもありません。診断で「バランス型」と出るのは、たぶんこの真ん中と比べられているからです。
Webマーケティング側はクリエイティブ・マスコミの業界平均に次ぐ高さで、リサーチャー側は飲食や販売・小売より低い。同じ「マーケティング」という言葉の中に、クリエイティブ寄りと分析寄りが同居しているわけです。
作る側と、調べて設計する側があります
① 作る側
Webマーケティング担当が、この型です。表現することへの向き方も、調べて突き止める向き方も、どちらも高い。数字を見て「なぜこうなったのか」を突き止めたくなる人。ただし突き止めて終わりではなくて、そこから何を出すかまでを自分で作りたい人に合うと思います。
② 調べて、設計する側
マーケティング・リサーチャーは、表現することへの向き方が、作る側から大きく離れます。代わりに、人を説得し動かす向き方が業界平均より高い。自分で作るのではなく、調べた結果をもとに「何をすべきか」を決めて、通す。ここが中心です。
2職種に共通するのは、人を動かす向きの高さ
人を説得し動かす向き方が、2職種とも高い。業界平均は営業とほぼ同じで、コンサルに近い水準です。施策を出すだけでは終わりません。予算を確保し、関係部署の合意を取り、経営に説明する。そこまでが1つの仕事として数えられます。
この工程を「本業の邪魔」と感じるか「本業の一部」と感じるかで、この並びとの重なり方が変わります。 ちなみに、決まった手順を正確に回す向き方は、士業や管理部門の担当より低い層にあります。
数字を見たあと、最初にやりたいことは何ですか
何を作るか考えるなら①。何が起きているのか整理するなら②です。
- 他人が作ったクリエイティブに口を出したくなるなら①。判断材料として見るだけなら②
- 資料を作る時間が苦痛でも楽しくもないなら、そこは動機の中心ではありません
表現と分析がどちらも上位なのは、37業界で5つだけ
表現する向き方と調べる向き方が、どちらも上位の層にある業界は、37業界のうち5つだけです。 マーケティングは、その1つです。残る4つは、クリエイティブ/マスコミ/美容/教育です。この5業界を並べると、人を動かす向き方がいちばん高いのがマーケティングで、手を動かす向き方がいちばん低いのもマーケティングです。
どちらかを選ぶ、という問いの立て方が合っていないのだと思います。数値の上では、両方が上位の層にある位置にこの業界があるからです。片方だけに関心が寄っている場合、近い形の業界は外にあります。
まとめ——作る側か、決める側か
- 2職種しかないのに、表現する向き方が大きく割れる。業界平均はどちらの実態でもない
- 共通しているのは、社内に通すところまでが仕事だということ(企業的)
- 表現と分析がどちらも上位の層にある業界は、37業界のうち5つだけ。その中で、人を動かす向き方はマーケティングが最も高い
クリエイティブかデータかは、面談で聞くことができます。聞いても分からないのが、自分が作る側なのか、決める側なのか。こっちは自分で決めて持っていくものだと思います。
どちら側かが決まったら、マーケティングの転職エージェントの選び方へ。
関連ページ
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マーケティングの職業を1つずつ見る
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この記事の根拠
数値の内訳をひらく
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
マーケティングの職業別(向き方)
| 職業 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Webマーケティング(ネット広告・販売促進) | 3.07 | 3.63 | 3.65 | 3.40 | 3.49 | 3.21 |
| マーケティング・リサーチャー | 3.07 | 3.22 | 2.78 | 3.47 | 3.69 | 2.96 |
業界平均:現実的3.07/研究的3.43/芸術的3.22/社会的3.44/企業的3.59/慣習的3.09。上の2職種の平均です。
比較に使った業界平均
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 企業的 |
|---|---|---|---|---|
| クリエイティブ | 3.58 | 3.40 | 3.93 | 3.33 |
| マスコミ・放送・出版 | 3.47 | 3.47 | 3.70 | 3.43 |
| 美容・理容 | 3.44 | 3.43 | 3.60 | 3.10 |
| マーケティング | 3.07 | 3.43 | 3.22 | 3.59 |
| 教育 | 3.19 | 3.35 | 3.20 | 3.30 |
| 飲食 | 3.25 | 3.05 | 2.96 | 3.06 |
| 販売・小売 | 3.28 | 2.77 | 2.84 | 3.24 |
| メーカー技術職 | 3.61 | 3.54 | 2.55 | 3.08 |
| IT・エンジニア | 3.45 | 3.42 | 2.75 | 3.17 |
「表現と分析がどちらも 3.2 以上」の5業界:37業界のうち、芸術的も研究的も 3.2 以上あるのは クリエイティブ・マスコミ・放送・出版・美容・理容・教育・マーケティング の5つです。この5業界の中では、企業的はマーケティングの 3.59 が最も高く、現実的はマーケティングの 3.07 が最も低くなります。
業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):教員 0.58、飲食 0.74。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)