営業に向いてる人、「押しが強い人」では決まらない——動かす向きの両端は広告と保険

この記事の見出し(12項目)

「営業に向いている性格ではない気がする」 「人と話すのは好きだけど、売り込むのは苦手」 「営業しか経験が無いのに、営業が向いていない気がする」

「営業に向いてる人の特徴」を読むたびに、自分と違うと感じる。違って当然です。 そこに書かれている特徴は、7職種のどれを指すかで当てはまり方が変わるからです。


30秒でわかること

37業界の中で高い
人を動かす4位
37業界の中で低い
手を動かす32位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

正確に説明して、相手に自分で決めてもらいたい人

  • 売るものがまだ決まっていないところから、何を提案するかを自分で作りたい人
  • 扱っているものそのものへの関心が、動機に入っている人
  • 決まるまでが長く、一度の取引が大きい仕事に向く人

「営業に向いていない気がする」の理由が「押せないから」なら、人を動かす向き方が7職種で大きく開いていることを先に見てください。


動かす向きは、広告営業が最も高く保険営業が最も低い

向き(向き方)は、その職業で働く人の関心がどこへ向いているかの数値です。人を説得し動かすことへの向き方は、いちばん高い広告営業と、いちばん低い保険営業で大きく開きます。表現することへの向き方にいたっては、広告営業とMRで大きな差がありました。


押す営業と、説明する営業と、モノを扱う営業があります

① 説明して、納得してもらいたい人

MR(医薬情報担当者)が、この型の中心です。 人と関わる向き方も、調べて突き止める向き方も、7職種の中で最も高い。人と関わる度合いは、医療・介護・保育の業界平均とほとんど並びます。

押すのではなく、正確に説明することで動いてもらう仕事。表現への向き方は7職種の下端(商社営業とほとんど並ぶ)で、自分の色を出す場面はほとんどありません。専門知識を積み上げて、それで信用を得たい人の型だと思います。

② 作って、売る人

広告営業は、表現することへの向き方が、他の6職種から大きく離れています。人を動かす向き方も、7職種で最高。売るものが「まだ無い」ところから始まる営業で、何を提案するかを自分で作り、それを通す。

ちなみにこの型は、営業の外にも同じ形があって、マーケティングが近い位置にいます。

③ モノを扱いたい人

自動車営業と商社営業が、この型です。どちらも手を動かす向き方が7職種の上位にあります。扱っているものが具体的で、手に取れる。製品そのものへの関心が動機に入っている人に噛み合います。

商社営業は人と関わる向き方が7職種の中では低いほう。「人が好き」より「商材が好き」で成立する側かもしれません。

④ 関係そのものを作る人

住宅・不動産営業と、銀行・信用金庫の渉外担当は、ここに入ります。住宅・不動産営業は人と関わる向き方が高い一方、手を動かす向き方も、調べて突き止める向き方も、7職種で最も低い。商品知識や分析より、相手との関係が中心にある形。 一度の取引が大きく、決まるまでが長い仕事です。

保険営業は、人を説得し動かす向き方が7職種の中で最も低い職種です。営業の業界平均より下です。


商談がうまくいった日、何が嬉しかったですか

相手が納得したことなら①、自分の提案が通ったことなら②、関係ができたことなら④です。

  • 扱っているものに興味があるなら③の要素が強い。商材そのものが動機に入っている型です
  • 資料を作る時間が楽しいなら②。苦痛なら、そこは動機の中心ではありません

「営業が向いていない」と思ったときに、見るところ

向いていないのが「営業」なのか、「いまの営業」なのかで、行き先が変わります。 7職種の幅は、人を動かす向き方で見ると、37業界の平均どうしの幅の6割にあたります。職種を変えるだけで、その向きの値はかなり変わるんです。

業界そのものが合わない可能性があるのは、こういう場合です。

  • 人と関わること自体が消耗する — 営業の業界平均は、37業界の中では8番目です
  • 相手が動くかどうかに、手応えを感じない — 人を動かす向き方が動機に無いということです

この2つとも当てはまらないなら、まだ営業の中に選択肢があります。


まとめ——説明する・作って売る・モノを扱う・関係を作る

  • 「営業に向いてる人」はひとつではない。人を動かす向き方でも、表現する向き方でも割れる
  • 作って売る型(広告営業)。表現への向き方が他の6職種から大きく離れる
  • 保険営業は、人を動かす向き方が7職種で最も低い。「押しが強い人」の像からいちばん遠い並びの職種もある

営業に向いているかどうかは、いったん置いておいていい。説明する・作って売る・モノを扱う・関係を作る、のどれに近いかが見えてからでも、登録は遅くありません。

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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的32位(3.02)研究的29位(2.97)芸術的22位(2.58)社会的8位(3.84)企業的4位(3.57)慣習的13位(3.20)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:営業は37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

営業の職業別(向き方)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
医薬情報担当者(MR)2.763.322.274.143.773.33
広告営業3.033.113.443.983.973.00
住宅・不動産営業2.712.552.394.013.523.33
自動車営業3.443.072.553.953.473.15
銀行・信用金庫渉外担当2.962.802.433.713.433.21
商社営業3.362.972.303.663.603.18
保険営業(生命保険、損害保険)2.912.982.673.463.223.18

表の太字は営業7職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。

業界平均:営業は 現実的3.02/研究的2.97/芸術的2.58/社会的3.84/企業的3.57/慣習的3.20。上の7職種の平均です。

比較に使った37業界の幅:人を説得し動かすことは 管理部門(課長級)3.78 ←→ 物流・ドライバー 2.54 で 1.24。営業7職種の幅 0.75 は、その6割にあたります。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):ホテル・観光・ブライダル 0.405、販売・小売 0.554、管理職 0.586・金融 0.589・福祉・相談支援 0.592(この3つは差が0.01以内で同率)。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)