公務員に向いてる人、人と関わる関心がエステティシャンより高い職業が、役所にいる

この記事の見出し(13項目)

「安定しているのは分かるが、自分に向いているかは別の話だと思う」 「同じ役所にいた同期と、やっている仕事がまるで違った」 「向いていないのは仕事のせいなのか、配属のせいなのか」

同じ年に入った同期と話すと、同じ「公務員」なのに仕事の話がかみ合わない。6職種を人と関わる関心で並べると、上の端の労働基準監督官は、このデータの320職業のどれよりも高く出ます。下の端の国際公務員までの開きは、37業界の端から端より大きい。


30秒でわかること

37業界の中で高い
決まった手順を正確に回す6位
37業界の中で低い
表現する29位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

人と直接向き合って、その場で決着をつけたい人

同じ場所に長くいられることを、価値の側に数えている人。公務員(行政)として収録されている6つの職種に、いちばん広く共通しているのはそこだと思います。ここから先は、職種によって4つに分かれます。

  • 人と直接向き合って、その場で決着をつけたい人
  • 人と関わることから、いちばん離れていたい人
  • 決まった様式の外で、人に向けて何かを作りたい人
  • 人を説得すること、長く同じ場所で続けることに価値を置く人

人と関わる関心を分けているのは、業界名ではなく職種

「公務員は人と関わる仕事だ」も「人と関わらない仕事だ」も、どちらも言えません。 人と関わる関心の開きは、同じ業界の中のほうが、37業界のどの2業界を比べたときより大きく出ています。いちばん高い労働基準監督官は、320職業で2番目のエステティシャンよりも高い。いちばん低い国際公務員と、同じ業界の中に入っています。ここで言う関心は、働く人の興味が向かう先を表した数値です。

決まった手順への関心も、分けているのは職種です。ここでも、同じ業界の中の開きのほうが、37業界のどの2業界を比べたときよりも大きく出ています。「公務員は前例主義だ」も、業界名では言えません。

表現の関心と人を動かす関心は、業界名で決めていい

表現することへの関心は、業界の中の幅が、37業界の平均どうしの幅よりはっきり小さい。表現の関心が低い側にあることは、業界名で言い切れます。説得して人を動かすことへの関心は、6つの中で業界の中の開きがいちばん小さい。 37業界の平均どうしの幅の半分ほどです。

手を動かすことへの関心だけは、両者が同じ大きさでした。


端に来るのは5職種。国家公務員はどの関心でも両端のあいだ

この業界の両端にいるのは、次の5職種です。残る国家公務員(行政事務)は、どの関心でも6職種の端に来ず、両端のあいだに入ります。

① 法と手順で、人に向き合う型

労働基準監督官が、この型です。4つ(手を動かすこと、調べて突き止めること、人と関わること、決まった手順を回すこと)で、業界の中の最大値です。表現することだけが、業界の中の最小値です。人と関わる関心にいたっては、このデータのどの職業よりも高く出ています。

人と関わる関心と、手順への関心が、どちらも6職種でいちばん高い。それが、この職種の形です。

大事にしているものは、雇用や生活の安定性が1位、専門性が2位、奉仕・社会貢献が3位。1位の数値自体が、この業界でいちばん高く出ています。

② 人と関わる関心がいちばん低い型

国際公務員は、手を動かすこと、人と関わること、説得して人を動かすことの3つで、業界の中の最小値です。

この型だけ、大事にしているものの並びが違います。ほかの端の職種のうち3つは1位が雇用や生活の安定性で、この職種は上位3項目に安定が入りません(社会教育主事も入りません)。達成感・自律性・専門性が同じ値で並びます。

③ 手順より、表現に関心が寄る型

社会教育主事の型です。表現することへの関心は、業界の中で最も高い。逆に決まった手順を回す関心は、業界の中で最も低い。 この2つが同時に来ているのが、この職種だけです。

大事にしているものは、自己成長と奉仕・社会貢献が同値で並び、次が専門性。安定は上位3に入りません。この点は②と同じです。

④ 人を動かす税務、調べる関心が低い地方行政

税務事務官と地方公務員(行政事務)は、ここに入ります。税務事務官は、説得して人を動かす関心が業界の中で最も高い。

地方公務員(行政事務)は、調べて突き止める関心が業界の中で最も低い。2職種とも、大事にしていることの1位は雇用や生活の安定性です。


4職種がいちばん大事にするのは、雇用や生活の安定性

6職種のうち4職種(労働基準監督官・税務事務官・地方公務員・国家公務員)で、大事にしていることの1位は雇用や生活の安定性です。 外れるのは国際公務員と社会教育主事です。業界平均でも、重く見る度合いは37業界の中で2番目です。上にいるのは警察・消防・自衛隊だけです。

安定を重く見る度合いは、業界平均なら37業界の2番目ですが、6職種のうち2つでは1位に来ません。 分かれるのは、安定を重く見たうえで、人に向き合うのか、人から離れるのか、様式の外へ出るのかです。


相手は、目の前にいてほしいですか

目の前にいて、その場で決着をつけたいなら①。人と関わることから離れていたいなら②です。人と関わる関心は、この業界でいちばん割れます。

  • 手順や様式が決まっていることに安心するなら①。窮屈なら③。手順への関心が高い職種も低い職種も、同じ業界の中にあります
  • 安定をいちばん重く見るなら①④。安定は前提でしかなく、その先に達成感や裁量を重く見るなら②に近い形です

まとめ——公務員に向いているかは、型が決まったあとでいい

  • 「公務員は人と関わる仕事だ」も「人と関わらない仕事だ」も、どちらも言えない。「公務員は前例主義だ」も、業界名では言えない
  • 表現の関心と、説得して動かす関心は、業界名で言い切れる
  • 6職種のうち4職種で、大事にしていることの1位は雇用や生活の安定性。外れるのは国際公務員と社会教育主事

4つのうち、自分がどれに近いか。それが先です。人と関わる関心が320職業でいちばん高い職種と、6職種でいちばん低い職種が、同じ「公務員」の名前の下にいます。

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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的26位(3.11)研究的17位(3.24)芸術的29位(2.44)社会的17位(3.58)企業的18位(3.10)慣習的6位(3.46)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:公務員(行政)は37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

公務員(行政)の業界内の最大・最小(向き方)

領域業界内で最も高い職業値業界内で最も低い職業値幅
現実的(手を動かす)労働基準監督官3.90国際公務員2.731.17
研究的(調べて突き止める)労働基準監督官4.26地方公務員(行政事務)2.861.40
芸術的(表現する)社会教育主事2.98労働基準監督官1.871.11
社会的(人と関わる)労働基準監督官4.74国際公務員2.821.92
企業的(説得し動かす)税務事務官3.43国際公務員2.770.66
慣習的(手順を回す)労働基準監督官4.32社会教育主事2.891.43

表の太字は公務員(行政)6職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。国家公務員(行政事務)は、どの領域でも端に来なかったため、上の両端の間に入ります。

業界平均:現実的3.11/研究的3.24/芸術的2.44/社会的3.58/企業的3.10/慣習的3.46。上の6職種の平均です。

比較に使った37業界の幅:手を動かすことは 農林水産 3.77 ←→ 士業 2.60 で 1.17。調べて突き止めることは 研究職 4.14 ←→ 物流・ドライバー 2.61 で 1.53。表現することは クリエイティブ 3.93 ←→ 警察・消防・自衛隊 2.18 で 1.75。人と関わることは リハビリ・治療 4.20 ←→ 組立・生産ライン 2.65 で 1.55。説得し動かすことは 管理部門(課長級)3.78 ←→ 物流・ドライバー 2.54 で 1.24。手順を回すことは 管理部門(課長級)3.58 ←→ コンサル 2.69 で 0.89。

業界の中の幅と、業界どうしの幅の比較

領域業界の中業界どうし判定
現実的1.171.17ほぼ同じ
研究的1.401.53業界名で決めていい
芸術的1.111.75業界名で決めていい
社会的1.921.55職種で決まる
企業的0.661.24業界名で決めていい
慣習的1.430.89職種で決まる

「業界の中」の列の太字は、6領域の中での最大(1.92)と最小(0.66)です。判定の列を太字にした2領域が、業界の中の幅が業界どうしの幅を上回ったところです。

業界内の幅としての位置:37業界それぞれの「業界の中で最も開いた領域の幅」を並べると、1位が公務員(行政)1.92、2位が 研究職 1.83、3位が 金融 1.79、4位が 教育 1.69、5位が 美容・理容 1.61 です。一覧は 業界別の向き・不向き一覧 へ。

職業単位での位置:労働基準監督官の社会的 4.74 は、本サイトが収録している320職業の中で最も高い数値です(2位は エステティシャン 4.49、3位は 麻薬取締官 と キャリアカウンセラー が同値で 4.46)。同じく慣習的 4.32 も、320職業の中で最も高い数値です。

端に来た5職種の仕事価値観(上位3項目)

職業上位3項目
地方公務員(行政事務)雇用や生活の安定性 3.61/奉仕・社会貢献 3.22/私生活との両立 3.20
税務事務官雇用や生活の安定性 3.94/専門性 3.89/自己成長 3.64
国際公務員達成感 3.36/自律性 3.36/専門性 3.36
社会教育主事自己成長 3.77/奉仕・社会貢献 3.77/専門性 3.71
労働基準監督官雇用や生活の安定性 4.84/専門性 4.65/奉仕・社会貢献 4.26

端に来なかった国家公務員(行政事務)も、満足の1位は雇用や生活の安定性 3.82 です。社会教育主事の雇用や生活の安定性 3.32 は、11項目の8番目です。

業界平均の上位3項目:雇用や生活の安定性 3.80/専門性 3.65/奉仕・社会貢献 3.50。雇用や生活の安定性 3.80 は37業界で2番目です(1位は 警察・消防・自衛隊 4.09、3位は 医師・歯科医師 3.69)。専門性 3.65 は37業界で20番目で、こちらは真ん中でした。

業界間の距離:公務員(行政)に最も近いのは 法律・会計(弁護士・会計士)0.469 と 金融 0.469、次が 警察・消防・自衛隊 0.490 と 鉄道・航空・海運 0.490(同じ近さ)。6つの向きの値をそのまま使い、どれだけ離れているかを測ったものです。小さいほど近い値です。

公務員(行政)に含めた職業:国家公務員(行政事務)/地方公務員(行政事務)/税務事務官/国際公務員/社会教育主事/労働基準監督官の6職業の平均です。警察官・消防官・自衛官・刑務官・海上保安官・麻薬取締官は、警察・消防・自衛隊のほうに分けています。

このデータに含まれていないもの:年収・労働時間・求人数・採用試験の内容や難易度・倍率・職階や役職・異動や配属の仕組み。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)