マスコミに向いてる人、「記者と放送は別」は半分——手順を回さない点は9職業で揃う

この記事の見出し(13項目)

「記者と編集と放送技術が、同じ業界として出てくる」 「アナウンサーと舞台照明が同じ棚にあるのは、さすがに違う気がする」 「表現の仕事がしたいが、自分にセンスがあるとは思えない」

中を割らないと決められない。割ってみたら、割れる部分より、揃っている部分のほうが目立ちました。


30秒でわかること

37業界の中で高い
表現する2位
37業界の中で低い
決まった手順を正確に回す36位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

どこまで作り込むかを、他人に決められたくない人

決まった手順を回すことに、価値を感じない人。 ここが、9つの職業すべてに共通しています。そのうえで、出来上がりの形を自分で決めたい人。どこまで作り込むかを他人が決める状態が、苦痛ではなく違和感になる人が噛み合います。その作り込みの精度が上がっていくことに、次を作る理由を見つけられる人。

一方、手順が決まっていることを安心だと感じる人は、合いにくくなります。成果の出方が読めないと落ち着かない人も、方向が違います。


手順の向きは揃い、表現の向きは新聞記者でも他業界より上

「堅い仕事なら手順どおりに進む」は、成立しませんでした。向き(向き方)は、仕事の何に興味が向くかを見るための数値です。いちばん揃ったのは「決まった手順を正確に回す向き方」でした。業界内で最も手順寄りなのは、テレビ・ラジオ放送技術者です。この業界で最も手順を回す側の職業でも、他の業界の平均と比べれば、手順を回さない側にいます。

表現する向き方では、逆に下端が他業界の上端でした。表現する向き方でこの業界の最下位にいるのは、新聞記者です。それでも、クリエイティブ/マスコミ/美容の3業界を除けば、どの業界の平均より上にいます。

「表現の仕事がしたいが、自分にはセンスがない」と思っている人へ。センスの有無は、このデータでは測っていません。見えるのは、この業界の下端でも表現する向き方が高い、ということです。「記者だから、表現の仕事ではない」という言い方は、数値と合いません。

満足の中身も、8職業で揃いました

上下の端に出た8つの職業すべてで、「専門性が積み上がること」と「やり遂げた手応え」が、満足の上位3に入ります。うち7職業では、その2つがそのまま上位2に並びます。専門性が先に来るのが3職業、手応えが先に来るのが3職業で、アナウンサーは同じ値です。残る1つはテレビ・ラジオ放送技術者で、ここだけ2番目に自己成長が割り込みます。

3番目に来る項目は割れます。自分の裁量が3職業、自分が成長していく実感が3職業で、図書編集者は2つが同率です。


音と物を作る側、調べて書く側、場を動かす側、裏で支える側

型1:音と物を作る側(録音エンジニア・テレビ・ラジオ放送技術者)

録音エンジニアは、手を動かす向き方と、表現する向き方が、どちらも業界内の最も高い値です。そして、決まった手順を正確に回す向き方は業界内の最も低い値です。3つの向き方で端に立つ、この業界で唯一の職業です。

テレビ・ラジオ放送技術者は、決まった手順を正確に回す向き方が業界内で最も高い職業です。満足の並びは、専門性が1位、2番目に自己成長。

共通しているのは、機材を通して形を作ることです。この型に近い人は、機材に触れない役割に回されると、いちばんずれると思います。

型2:調べて書く側(新聞記者・図書編集者)

図書編集者は、調べて突き止める向き方が業界内の最も高い値を持ちます。満足の並びは、専門性が1位、2番目に手応え、3番目に自分の裁量(自己成長と同率)。

新聞記者は、表現する向き方が業界内の最も低い値です。それでも、他業界の平均と比べれば上位に入る水準です。

共通しているのは、外に出て集めたものを、言葉にすることです。

型3:場を動かす側(放送ディレクター・アナウンサー)

放送ディレクターは、人と関わる向き方と、人を説得して動かす向き方が、どちらも業界内の最も高い値です。アナウンサーは、手を動かす向き方が業界内の最も低い値です。満足の1位は手応えと専門性が同じ値で並びます。

共通しているのは、自分ではなく人が動くことで、ものが出来上がることです。「作りたいのは自分の手でか、人を動かしてか」。ここが型1との分かれ目になります。

型4:裏で支える側(舞台美術スタッフ・舞台照明スタッフ)

舞台美術スタッフは、人と関わる向き方が業界内の最も低い値を持ちます。舞台照明スタッフは、調べて突き止める向き方が業界内で最も低く、人を説得して動かす向き方も録音エンジニアとほとんど並んで最も低い値です。この2つは、満足の3番目に自分の裁量が来ます。

表に出ないことと、裁量が無いことは別です。この型は、表に出ないまま裁量を持つ側にいるようです。


出来上がったものに、自分の名前が出ないとしたら

気にならないなら型1か型4。それだと張り合いがないなら型2か型3に近い動機を持っています。

  • 作るときに誰かに動いてもらうほうが大きいものが作れると感じるなら型3。自分の手で完結させたいなら型1
  • 手順が決まっていない状態が落ち着かないなら、この業界そのものが合わない可能性があります。そのほうが自由だと感じるなら、9つの職業のどれとも、この点では重なります

職種を移しても満足の上位2は同じ——動くのは作り方

この業界では、職種を移しても満足の中身は変わりません。 上位2項目が、8職業のうち7職業で同じだからです。動かせるのは職場の側になります。

「作り方が合っていない」と感じているなら、そちらは職種で変わります。 自分の手で作るのか、人を動かして作るのか、集めて言葉にするのか。そこは業界の中で移すことで動きます。


まとめ——作り方は、自分の手か、人を動かすか、集めて言葉にするか

  • 9つの職業で、いちばん揃ったのは決まった手順を正確に回す向き方。業界内で最も手順寄りのテレビ・ラジオ放送技術者でも、他の業界の平均と比べれば手順を回さない側
  • 表現する向き方の業界内最小は新聞記者。これも、他業界の平均と比べれば上位
  • 上下の端に出た8職業すべてで、専門性と手応えが満足の上位3に入る。うち7職業では、その2つがそのまま上位2

「どの媒体を選ぶか」ではなく、作り方が、自分の手なのか、人を動かしてなのか、集めて言葉にすることなのか。この聞き方にすると、9つの職業が媒体の名前とは別の並びになります。

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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的11位(3.47)研究的5位(3.47)芸術的2位(3.70)社会的10位(3.78)企業的6位(3.43)慣習的36位(2.87)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:マスコミ・放送・出版は37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

マスコミ・放送・出版の業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
マスコミ・放送・出版3.473.473.703.783.432.87

9職業の平均です。収録しているのは、新聞記者/雑誌記者/図書編集者/テレビ・ラジオ放送技術者/録音エンジニア/アナウンサー/放送ディレクター/舞台美術スタッフ/舞台照明スタッフ。

業界内の最大・最小と、その幅

領域業界内で最も高い職業値業界内で最も低い職業値幅
現実的録音エンジニア4.02アナウンサー2.861.16
研究的図書編集者3.94舞台照明スタッフ3.000.94
芸術的録音エンジニア4.15新聞記者3.280.87
社会的放送ディレクター4.33舞台美術スタッフ3.301.03
企業的放送ディレクター4.10舞台照明スタッフ3.001.10
慣習的テレビ・ラジオ放送技術者3.05録音エンジニア2.620.43

太字は、この業界の中での端です。37業界の中での端という意味ではありません。

6領域の幅の平均は 0.92。最も開くのは現実的(1.16)、最も揃うのは慣習的(0.43)です。

この幅の分母について:上の6つの値は、20業界について同じ形で並べたものの一部です。この20業界の120通りの組み合わせの中で、慣習的 0.43 は下から4番目に狭いという位置になります。残りの17業界の職業別の幅は、この並びに入っていません。

職業の値と、37業界の業界平均を並べた比較の内訳

  • テレビ・ラジオ放送技術者の慣習的 3.05:37業界の業界平均を下から並べると、コンサル 2.69 / マスコミ・放送・出版 2.87 / クリエイティブ 2.91 / IT・エンジニア 2.93 / 福祉・相談支援 2.99 / メーカー技術職 3.01 / 研究職 3.01 の次、美容・理容 3.06 の手前に来ます(下から8番目あたり)
  • 新聞記者の芸術的 3.28:37業界の業界平均を上から並べると、クリエイティブ 3.93 / マスコミ・放送・出版 3.70 / 美容・理容 3.60 の次で、マーケティング 3.22 と教育 3.20 より上に来ます

単位の違う値を同じ並びに置いた比較なので、順位の意味が他の箇所とは異なります。

仕事価値観(上下の端に出た8職業・上位3項目)

職業上位3項目上位23番目
新聞記者達成感 3.98/専門性 3.92/自己成長 3.85達成感・専門性自己成長
図書編集者専門性 4.14/達成感 4.12/自律性 3.75・自己成長 3.74(同率)専門性・達成感自律性・自己成長(同率)
テレビ・ラジオ放送技術者専門性 3.85/自己成長 3.42/達成感 3.39専門性・自己成長達成感
録音エンジニア専門性 4.33/達成感 4.26/自己成長 4.19専門性・達成感自己成長
アナウンサー達成感 4.00/専門性 4.00/自己成長 3.86達成感・専門性(同値)自己成長
放送ディレクター専門性 4.14/達成感 4.12/自律性 3.98専門性・達成感自律性
舞台美術スタッフ達成感 4.14/専門性 4.05/自律性 3.91達成感・専門性自律性
舞台照明スタッフ達成感 3.84/専門性 3.81/自律性 3.65達成感・専門性自律性

業界平均の上位3項目は、専門性 4.05/達成感 4.00/自己成長 3.80 です。(4番目は自律性 3.76)

この8職業は、6領域の最大か最小に出た職業です。残る1職業(雑誌記者)は、どの領域でも上下の端に来なかったため、個別の数値は載せていません。本文の「8職業すべてで」も、この8つを分母にしています。

この11項目は「その仕事をしている人が、何をどれだけ重視しているか」の数値です。実際の給与額・休日数ではありません。

このデータに含まれていないもの:収入・労働時間・休日数・番組や刊行のスケジュール・求人数・年齢構成・正社員か業務委託かの別・各社の採用基準・媒体ごとの市場規模。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):クリエイティブ 0.467、美容・理容 0.504、教育 0.681。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)