経理に向いてる人、「事務職」では決まらない——どの向きでも、総務・人事・経理の順

この記事の見出し(11項目)

「事務職が向いていると言われるが、どれを選べばいいのか分からない」 「経理も人事も総務も、同じ管理部門でひと括りにされている」 「いまの仕事は回せている。でもこの先が見えない」

求人で「管理部門」と書かれていても、中身が想像できない。想像できないのは、3つの職種がかなり違うからです。


30秒でわかること

37業界の中で高い
決まった手順を正確に回す9位
37業界の中で低い
人と関わる31位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

決まった範囲を、決まった手順で終わらせたい人

管理部門としてひと括りにされている職種は、得意分野が違うのではありません。守備範囲の広さが違います。

  • 決まった範囲を、決まった手順で終わらせたい人
  • 人に関わりたいけれど、その扱い方は決まっていてほしい人
  • 何が飛んでくるか分からない状態を、面倒ではなく面白いと感じる人

昇進したあとに仕事の向きが変わる職種と、ほとんど変わらない職種が、同じ部門の中に混ざっています。


経理はすべてで最も低く、総務はすべてで最も高い

並んだのは、総務事務・人事事務・経理事務の順です。向き(向き方)は、その仕事に就いている人の関心が、どの方向に強いかを表します。どの向き方で見ても、この順番が変わりませんでした。普通は、こういう並び方をしないんです。


範囲を限定する経理、制度を回す人事、何でも来る総務

① 範囲を限定して、正確に回したい人

経理事務が、この型です。人と関わる向き方は、37業界の平均で見ても低い層で、物流・ドライバーより低い。どの向き方でも3職種の最低値ですが、これは「向いていない」という意味ではありません。扱う範囲が限定されているという意味です。

決まった範囲を、決まった手順で、間違いなく終わらせたい人。 割り込みが少ないほうが力を出せる人に合うと思います。

② 人に関わる制度を回したい人

人事事務は、ここに入ります。人と関わる向き方は、経理事務よりはっきり高い。制度と人の両方を扱う位置にいます。決まった手順を回す向き方も高くて、「人に関わるが、その扱い方は決まっている」という形です。採用や労務を、感情より規程の側から扱う人たちの向き方、と読める形です。

③ 何でも来る場所で、回したい人

総務事務は、どの向き方でも3職種の最高値。守備範囲がいちばん広くて、決まった型が無いものが回ってくる場所です。

何が来るか分からない状態が苦にならない人。ここが向き・不向きの分かれ目です。


昇進したあとが、職種で違います

人と関わる向き方は、人事も総務も、課長級のほうが担当より大きく高く出ます。人事課長にいたっては、医療・介護・保育の業界平均と並ぶ水準に達します。ところが経理は、上がり方が人事・総務の半分ほどです。

「いまの仕事が合っている=昇進後も合っている」ではない、という話はよく言われます。経理については、その話が弱い。担当のときと同じ方向のまま、範囲が広がります。 人事と総務のほうは、昇進が職種の変更に近くなります。


予定どおりに終わった日と、何とかなった日。どちらが満足ですか

前者なら①。後者なら③です。

  • 割り込みの依頼が来たとき、「いまじゃない」と感じるなら①。「何だろう」と思うなら③
  • この先、人を動かす側に回りたいなら人事・総務。経理は、課長級でも人と関わる向き方があまり高く出ず、上がり方も小さめです

まとめ——守備範囲を狭くするか、広くするか

  • 経理事務はどの向き方でも最低、総務事務はどの向き方でも最高。3職種は守備範囲の広さで並ぶ
  • 範囲を限定して回したい型(経理事務)。人と関わる向き方は物流・ドライバーより低い
  • 昇進後の変化は職種で違う。人事と総務が大きく上がるのに対し、経理は上がり方が半分ほど

事務職に向いているかどうかより、守備範囲を狭くしたいのか、広くしたいのか。3職種はその一点で並んでいるので、そこが言えれば、探す先はもう決まっています。

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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的27位(3.09)研究的26位(2.98)芸術的25位(2.47)社会的31位(3.13)企業的14位(3.22)慣習的9位(3.36)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:経理・人事・総務は37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

管理部門(担当)の職業別(向き方)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
総務事務3.363.252.743.333.413.44
人事事務3.023.002.493.273.243.39
経理事務2.892.702.172.783.023.23

総務事務が6領域すべてで最大、経理事務が6領域すべてで最小です。

管理部門(課長級)の職業別

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
総務課長3.733.092.333.974.003.76
人事課長3.153.272.464.124.043.27
経理課長2.863.002.173.103.313.72

表の太字は各3職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。

業界平均:管理部門(担当)は 現実的3.09/研究的2.98/芸術的2.47/社会的3.13/企業的3.22/慣習的3.36。管理部門(課長級)は 3.25/3.12/2.32/3.73/3.78/3.58。それぞれ上の3職種の平均です。

比較に使った業界平均:物流・ドライバーの社会的は 2.87、医療・介護・保育は 4.11。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):一般事務 0.48、食品製造 0.52、公務員(行政)0.54。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)