コンサルに向いてる人——共通しているのは「頭の良さ」ではありません

「地頭が良くないと無理だと言われた」 「分析は好きだが、人前で話すのは得意じゃない」 「コンサルと言っても、種類が多すぎて分からない」

「向いてる人の特徴」を読むたびに、要求水準の高さで止まってしまう。 そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

止まる必要はありません。 数値で見ると、4職種で求められているものがかなり違います。


「調べて突き止める向き方」が、0.89 割れています

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「job tag」には、約500の職業について、実際にその仕事をしている人がどんな方向に興味を持っているかの調査結果が入っています。

コンサルを構成する4職種を並べると、いちばん高いITコンサルタントと、いちばん低い人事コンサルタントで 0.89 の差がありました。

17業界の平均どうしで比べたとき、この領域の幅は 0.93。 業界をまたぐ差とほぼ同じだけの幅が、コンサルの中にあります。

「頭の良さ」で括ると、人事コンサルタントが説明できません。 手を動かす向き方(2.47)も4職種で最も低く、分析と作業のどちらも中心ではない位置にいます。


共通しているのは、ここだけです

4職種すべてで低いのが「決まった手順を正確に回すことへの向き方」です。

  • M&Aアドバイザー 2.46
  • 人事コンサルタント 2.68
  • 経営コンサルタント 2.72
  • ITコンサルタント 2.88

業界平均は 2.69 で、17業界の中で最も低い。

つまり——コンサルに共通しているのは、頭の良さではなく「枠が無いところで決められること」です。

やり方が決まっていないほうが動きやすい人。 手順書が無い状態を、不安ではなく余白として受け取れる人。ここが唯一の共通項です。

満足の中心にも出ています。 4職種のうち3職種で「自律性」が上位3に入ります。M&Aアドバイザーだけは入りません——こちらは専門性・達成感・自己成長の並びです。


4つの型に分かれます

① 分析で答えを出したい人

ITコンサルタントと経営コンサルタントが、この型です。 どちらも調べて突き止める向き方が4職種の上位にあります。

調べて突き止めることが動機の中心にある人。 そのうえで、出した答えを相手に通すところまでが仕事です。

ITコンサルタントは手を動かす向き方も4職種で最高。 技術の側に足が残る型です。

② 人と場を動かしたい人

経営コンサルタントが、この型の中心です。

人を説得し動かす向き方も、人と関わる向き方も、4職種でいちばん高い。

正しい答えを出しただけでは終われない人。 相手が実際に動いたかどうかが気になって仕方ない人に噛み合います。

③ 案件を成立させたい人

M&Aアドバイザーが、この型です。

決まった手順への向き方が4職種で最も低く、人を動かす向き方は高い。

満足の中心が、他の3職種と違います。 自律性ではなく専門性と達成感です。

案件が成立したかどうかで、区切りがつく仕事です。

④ 制度を設計したい人

人事コンサルタントが、この型です。

手を動かす向き方も、調べて突き止める向き方も、4職種で最も低い。 それでいて自律性が満足の1位です。

分析でも実装でもなく、決めることそのものが中心にある形です。

「分析が得意でないとコンサルは無理」が当てはまらない職種が、コンサルの中にあります。


自分がどれに近いか、確かめる3つの問い

問い1:手順書が無い状態を、どう感じますか

動きやすいと感じるなら、4職種のどれかには噛み合います。不安だと感じるなら、業界そのものが合わない可能性があります。

問い2:正しい答えを出したのに相手が動かなかったとき、どう思いますか

「自分の仕事は終わっている」と思うなら①「終わっていない」と思うなら②です。

問い3:区切りが欲しいですか

欲しいなら③。終わりが見えない状態が平気なら①②④です。


まとめ

  • 調べて突き止める向き方が 0.89 割れる。 17業界間の幅(0.93)とほぼ同じ
  • 共通しているのは「枠が無いところで決められること」だけ。 慣習的は業界平均 2.69 で17業界の最低
  • 分析で答えを出す型(IT・経営)/人と場を動かす型(経営)/案件を成立させる型(M&A)/制度を設計する型(人事)
  • 自律性が満足の上位に入るのは4職種中3職種。 M&Aだけは専門性と達成感
  • 「分析が得意でないと無理」は、人事コンサルタントには当てはまらない

決めるべきなのは、頭の良さが足りるかではありません。枠が無い状態で決められるかです。


関連ページ


この記事の根拠

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

コンサルの職業別(職業興味・RIASEC)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
ITコンサルタント3.223.552.713.553.732.88
経営コンサルタント2.983.512.743.723.892.72
M&Aアドバイザー2.883.042.713.333.672.46
人事コンサルタント2.472.662.453.343.252.68

太字はコンサル4職種の中での最大・最小であって、17業界での順位ではありません。

業界平均:現実的2.89/研究的3.19/芸術的2.65/社会的3.49/企業的3.63/慣習的2.69。上の4職種の平均です。

仕事価値観(上位3項目)

職業上位3項目
経営コンサルタント専門性 4.12/達成感 4.06/自律性 4.00
ITコンサルタント自己成長 3.93/専門性 3.89/自律性 3.86
人事コンサルタント自律性 3.88/専門性 3.77/自己成長 3.73
M&Aアドバイザー専門性 3.42/達成感 3.39/自己成長 3.36

比較に使った17業界の幅:調べて突き止めることは メーカー技術職 3.54 ←→ 物流・ドライバー 2.61 で 0.93。慣習的の最低は コンサル 2.69。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年2月10日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)