コンサルに向いてる人、「分析」では決まらない——手順を回す向きは37業界で最低

この記事の見出し(11項目)

「地頭が良くないと無理だと言われた」 「分析は好きだが、人前で話すのは得意じゃない」 「コンサルと言っても、種類が多すぎて分からない」

「向いてる人の特徴」を読むたびに、要求水準の高さで止まってしまう。止まる必要はありません。4職種で求められているものが、かなり違います。


30秒でわかること

37業界の中で高い
人を動かす2位
37業界の中で低い
決まった手順を正確に回す37位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

決め方が用意されていない状態を、余地と受け取れる人

  • 調べて、筋を立てて、答えを出すところに手応えがある人
  • 答えを出した時点では終わった気がしない人
  • 終わりの見えない状態が苦しく、区切りが欲しい人

そのうえで、どの職種にも共通している条件がひとつだけあります。決め方が用意されていない状態を、心細さではなく余地として扱えるかどうか。


共通しているのは、手順を回す向きの低さだけです

ここでいう向き(向き方)は、働いている人の興味が向いている先のことです。調べて突き止める向き方で、コンサルを構成する4職種を並べると、大きな差がありました。いちばん高いのはITコンサルタントで、経営コンサルタントがほとんど並びます。いちばん低いのが人事コンサルタントです。4職種の差は、37業界の平均を並べたときの同じ向き方の差の、6割近くになります。

「頭の良さ」で括ると、人事コンサルタントが説明できません。手を動かす向き方も4職種で最も低く、分析と作業のどちらも中心ではない位置にいます。

一方で、4職種すべてで低いのが「決まった手順を正確に回すことへの向き方」です。いちばん低いのはM&Aアドバイザー、いちばん高いのはITコンサルタントで、その最も高い職種でも、37業界の中では低い側から出ません。

4職種を平均しても、この向き方は37業界で最も低い。手順が用意される職場から移ると、最初に戸惑うのはたぶんここです。

4職種に共通しているのは「枠が無いところで決められること」のほうです。 満足の中心にも出ています。4職種のうち3職種で「自律性」が上位3に入ります。M&Aアドバイザーだけは入りません。こちらは専門性・達成感・自己成長の並びです。


分析で答えを出す側、人を動かす側、案件をまとめる側、制度を作る側

① 分析で答えを出したい人

ITコンサルタントと経営コンサルタントが、この型です。どちらも調べて突き止める向き方が4職種の上位にあります。調べて突き止めることが動機の中心にある人。そのうえで、出した答えを相手に通すところまでが仕事だと思っておいたほうがいいでしょう。

ITコンサルタントは手を動かす向き方も4職種で最高。技術の側に足が残る型です。

② 人と場を動かしたい人

この型の中心にいるのは、経営コンサルタントです。 人を説得し動かす向き方も、人と関わる向き方も、4職種でいちばん高い。正しい答えを出しただけでは終われない人、相手が実際に動いたかどうかが気になって仕方ない人の場所だと思います。

③ 案件を成立させたい人

M&Aアドバイザーは、ここに入ります。決まった手順への向き方が4職種で最も低く、人を動かす向き方は高い。 満足の中心も他の3職種と違って、自律性ではなく専門性と達成感です。案件が成立したかどうかで、区切りがつく仕事です。

④ 制度を設計したい人

人事コンサルタントの型です。手を動かす向き方も、調べて突き止める向き方も、4職種で最も低い。それでいて自律性が満足の1位です。分析でも実装でもなくて、決めることそのものが中心にある、という形。


手順書が無い状態を、どう感じますか

動きやすいと感じるなら、4職種のどれかには噛み合います。不安だと感じるなら、業界そのものが合わない可能性があります。

  • 正しい答えを出したのに相手が動かなかったとき、「自分の仕事は終わっている」と思うなら①。「終わっていない」と思うなら②
  • 区切りが欲しいなら③。終わりが見えない状態が平気なら①②④

まとめ——4職種に共通するのは、枠が無いことだけ

  • 調べて突き止める向き方が大きく割れる。その幅は、業界どうしを並べたときの差の6割近くになる
  • 共通しているのは「枠が無いところで決められること」だけ。慣習的は業界平均で37業界の最低
  • 自律性が満足の上位に入るのは4職種中3職種。M&Aだけは専門性と達成感

手順書の無い場所で、自分で決めていけるか。4職種のどれを選ぶかより先に、そこへの答えが要ると思います。

そこが決まったら、コンサルの転職エージェントの選び方へ。


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この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的35位(2.89)研究的18位(3.19)芸術的17位(2.65)社会的19位(3.49)企業的2位(3.63)慣習的37位(2.69)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:コンサルは37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

コンサルの職業別(向き方)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
ITコンサルタント3.223.552.713.553.732.88
経営コンサルタント2.983.512.743.723.892.72
M&Aアドバイザー2.883.042.713.333.672.46
人事コンサルタント2.472.662.453.343.252.68

表の太字はコンサル4職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。

業界平均:現実的2.89/研究的3.19/芸術的2.65/社会的3.49/企業的3.63/慣習的2.69。上の4職種の平均です。

仕事価値観(上位3項目)

職業上位3項目
経営コンサルタント専門性 4.13/達成感 4.06/自律性 4.00
ITコンサルタント自己成長 3.93/専門性 3.89/自律性 3.86
人事コンサルタント自律性 3.88/専門性 3.77/自己成長 3.73
M&Aアドバイザー専門性 3.42/達成感 3.39/自己成長 3.36

比較に使った37業界の幅:決まった手順を回すことは 管理部門(課長級)3.58 ←→ コンサル 2.69 で 0.89 で、6領域の中で最も小さい幅です。調べて突き止めることは 研究職 4.14 ←→ 物流・ドライバー 2.61 で 1.53。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):営業 0.676、金融 0.694。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)