「管理職に向いてない」は、人事か総務か経理か——経理課長は関わる向きの伸びが最小

この記事の見出し(11項目)

「昇進の話が出ているが、受けるべきか分からない」 「管理職に向いていないのかもしれない」 「同じ課長でも、隣の部署とやっていることが全然違う」

「管理職に向いてる人の特徴」を読むたびに、自分と違うと感じる。違って当然です。数値で見ると、課長級の中でも求められているものがまるで違います。


30秒でわかること

37業界の中で高い
人を動かす1位
37業界の中で低い
表現する34位

年収・労働時間・求人数は測っていません。読み方

人が動いて物事が進んだことを、自分の成果と思える人

管理職の土台にあるのはここです。ただし、そこから先が3つに分かれます。

  • 枠を壊してでも通したい人
  • 枠を守らせながら、自分でも動きたい人
  • 正しさを担保したい人

人と関わる向きは、人事課長が最も高く経理課長が最も低い

人事課長は、医療・介護・保育の業界平均と並ぶ水準。 一方の経理課長は、営業どころか管理部門の担当平均とほとんど並ぶ水準です。「管理職=人を動かす仕事」は、経理課長には当てはまらないわけです。


動かす管理職と、自分でも動く管理職と、守らせる管理職があります

① 人を動かす管理職

人事課長が、この型の中心です。向き(向き方)とは、その職種で働く人の関心が、どこへ寄っているかの数値です。人と関わる向き方は3職種でいちばん高く、人を説得し動かす向き方も総務課長とほとんど並んで高い。決まった手順を回す向き方は低く、総務課長や経理課長とは、はっきり離れます。

3職種の中で、人事課長だけが「枠を壊す側」に寄っています。制度そのものを設計し直す立場だからだと思います。

② 自分でも動く管理職

総務課長は、手を動かす向き方が3職種で最も高く、担当時代よりさらに上がります。人を動かす向き方も高く、決まった手順を回す向き方も、経理課長とほとんど並んで高い側です。枠を守らせながら、自分でも現場に入る。普通なら相反する2つを同時に持つので、管理職の中ではいちばん「何でも来る」場所でしょう。

③ 手順を守らせる管理職

経理課長の型です。人と関わる向き方も、人を動かす向き方も、3職種で最も低い。代わりに、決まった手順を正確に回す向き方が高いまま残ります。 部下を動かすというより、正しさを担保する立場。数字が合っていること、期日に間に合うこと、監査に耐えること。

「管理職になったのに、やっていることが変わらない」と感じているなら、数値の側にも近い形があります。 経理では、担当から課長級への人と関わる向き方の上がり方が、人事・総務より小さく出ています。それは、失敗ではありません。そういう職種です。


部下が成果を出したとき、どう感じますか

自分の成果だと思えるなら①②。「良かった」で終わるなら、そこは動機の中心ではありません。

  • 前例が無いことを頼まれたとき、どう通すかを考えるなら①。どこに引っかかるかを考えるなら③
  • 自分で手を動かす時間が必要なら②。無くていいなら①③

「プレイヤーに戻る」は、後退ではありません

管理職の成果は、他人が動いた結果として出てきます。プレイヤーとして評価されてきた人ほど、ここで手応えを失いやすいのかもしれません。

ただ、戻る前に確かめる価値があります。3職種で大きく割れているので、同じ管理職でも、どの職種かで向きの値は大きく変わります。

  • 人を動かすことが負担なら、③の経理課長の型が近い
  • 枠を守らせることが窮屈なら、①の人事課長の型が近い

まとめ——動かす側か、守らせる側か

  • 3職種しかないのに、人と関わる向き方が大きく割れる。37業界の幅の3分の2
  • 人を動かす管理職(人事課長)。人と関わる向き方も、人を動かす向き方も高い。手順を守る向き方だけ低く、枠を壊す側
  • 手順を守らせる管理職(経理課長)。人と関わる向き方が低く、担当からの上がり方も小さい

「管理職に向いているか」という聞き方だと、答えは出ません。動かす側にいたいのか、守らせる側にいたいのか。こう聞き方を変えると、3職種のどれかが浮きます。

どちら側にいたいかが決まったら、管理職の転職エージェントの選び方へ。


関連ページ


管理部門(課長級)が出てくる「向き方から探す」のページ

この記事の根拠

数値の内訳をひらく

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

1位37位現実的22位(3.25)研究的20位(3.12)芸術的34位(2.32)社会的13位(3.73)企業的1位(3.78)慣習的1位(3.58)濃い点=上位4分の1(9位以内)
図:管理部門(課長級)は37業界の中でどのあたりか(左が1位、右が37位)

管理部門(課長級)の職業別(向き方)

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
人事課長3.153.272.464.124.043.27
総務課長3.733.092.333.974.003.76
経理課長2.863.002.173.103.313.72

表の太字は課長級3職種の中での最大・最小であって、37業界での順位ではありません。

担当との比較(人と関わる向き方)

担当課長級変化
人事3.274.12+0.85
総務3.333.97+0.64
経理2.783.10+0.32

業界平均:管理部門(課長級)は 現実的3.25/研究的3.12/芸術的2.32/社会的3.73/企業的3.78/慣習的3.58。上の3職種の平均です。

比較に使った37業界の幅:人と関わることは リハビリ・治療 4.20 ←→ 組立・生産ライン 2.65 で 1.55(2番目に高いのは医療・介護・保育 4.11)。課長級3職種の幅 1.02 は、その3分の2にあたります。

業界間の距離(6つの向きの値がどれだけ離れているか。小さいほど近い):営業 0.59、金融 0.65。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)