マスコミの「やめとけ」、達成感の重みは37業界一——安定の重みは下から3番目

中身を先に(5項目)

「入る前も、入ってからも、やめとけと言われ続けている」 「好きな仕事ではある。ただ、この働き方が10年続くとは思えない」 「業界の外に出たら、何ができる人として見られるのか分からない」

仕事そのものは嫌いではないのに、続ける前提が置けない。前提を置く場所は、気持ちより数値の側にあるように思います。


「マスコミはやめとけ」の中身は、だいたい5つです

このデータで答えられるデータの外で確かめる
#言われていることこのデータで見えること
①給料が仕事量に見合わない求人票で確かめる
②拘束が長く、不規則求人票で確かめる
③斜陽産業で、先がないこれは、この先の話です
④やりがいはあるが、続かない満足の置きどころなら言える
⑤クリエイティブ職と同じようなもの比べると逆でした

①の給料と②の拘束時間は求人票で確かめる話で、③の斜陽かどうかはこの先の話。「向き方」は、その仕事をしている人の興味がどこに集まっているかを、6つの向きごとに測って比べた値です。人と関わること、表現すること、手順を回すことなどがあります。

④ 「やりがいはあるが、続かない」——達成感の重みは37業界1位

離職率や在職期間は、このデータの外です。公表されている統計のほうを見てください。マスコミ・放送・出版の「達成感」は、比較した37業界を全部並べても最も高い数値です。

一方、「雇用や生活の安定性」は、37業界の下から3番目。これより低いのは、クリエイティブと物流・ドライバーの2つだけです。

この2つの差が、比較した37業界の中で最大で、2番目のクリエイティブもほとんど並びます。3番目の美容・理容とは、はっきり離れます。「やりがい搾取」という言い方が指しているのは、たぶんこの形だと思います。

気持ちが続くかどうかより、続けられる条件があるかどうか。 見る順番は、こちらが先です。

もう1つ、同じ方向を指す数値があります。「私生活との両立」は、37業界の下から2番目です。これは重視している度合いで、実際の労働時間のほうは求人票で確かめる側です。

⑤ 「クリエイティブ職と同じようなもの」——比べると逆です

マスコミ・放送・出版に興味の形がいちばん近いのはクリエイティブで、美容・理容もほとんど並びます。隣であること自体は、そのとおりです。マスコミ・放送・出版の「人と関わる向き方」は、クリエイティブよりはっきり高い。取材する、出演する、現場で人を動かす。一本を仕上げるまでに、人と話す段取りがいくつも挟まります。「一人で作りたいからこちらへ」という移り方が、いちばん外れます。方向が逆なんです。

共通しているところも、はっきりしています。決まった手順を正確に回す向き方は、マスコミ・放送・出版が37業界の下から2番目、クリエイティブが3番目。どちらも、前回と同じやり方が通じない側の業界です。 安定への重みの低さも共通で、クリエイティブの「雇用や生活の安定性」は37業界で最も低い数値です。


「やめとけ」が当たる人と、当たらない人

  • 安定を、いま最優先に置いている人
  • 毎回同じ段取りで進む仕事に、落ち着きを感じる人
  • 一人で作る時間を最大にしたい人

「一人で作りたいから」でこちらへ来たのでないなら、この5つは当たりません。

  • 終わった瞬間の手応えを、報酬の一部として数えられる人
  • 毎回ちがう条件で組み立て直すことを、仕事の一部と見ている人
  • 人に会って引き出すところまでを、自分の仕事だと思える人

まとめ——作る内容の側か、続ける条件の側か

  • 「やりがいはあるが続かない」は、満足の置きどころなら言える。達成感が37業界で最も高く、雇用や生活の安定性が下から3番目。その差は37業界で最大で、クリエイティブとほとんど並ぶ(重みの差で、辞める人の数ではない)
  • 「クリエイティブ職と同じようなもの」は、比べると逆。向き方の近さでは隣だが、人と関わる向き方で離れる
  • 共通しているのは、手順が決まらないことと、安定への重みの低さ

続ける前提を置く場所は、消耗している理由が、作る内容の側にあるのか、続ける条件の側にあるのか。そこが定まれば足ります。「やめとけ」が正しいかどうかは、置いたあとに決まります。

どちらの側かが決まったら、マスコミ・放送・出版の転職エージェントの選び方へ。


関連ページ


この記事の根拠

判定の元になった数値

このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
マスコミ・放送・出版3.473.473.703.783.432.87
クリエイティブ3.583.403.933.413.332.91
美容・理容3.443.433.604.093.103.06
教育3.193.353.203.923.303.16
マーケティング3.073.433.223.443.593.09
コンサル2.893.192.653.493.632.69
IT・エンジニア3.453.422.753.153.172.93
物流・ドライバー3.182.612.402.872.543.20

太字は、比較した37業界の中での最高・最低です。表現することへの向き方が 3.5 を超えるのは3業界だけ(クリエイティブ 3.93 / マスコミ・放送・出版 3.70 / 美容・理容 3.60)です。

決まった手順を正確に回す向き方の順位(37業界の中で):最も低いのはコンサル 2.69、マスコミ・放送・出版 2.87 が下から2番目、クリエイティブ 2.91 が3番目、IT・エンジニア 2.93 が4番目です。

仕事価値観(マスコミ・放送・出版・11項目)

項目値
専門性が積み上がること4.05
達成感4.00
自己成長3.80
自律性3.76
対人関係3.39
社会的認知3.15
人の役に立つこと3.10
労働安全3.07
私生活との両立2.89
報酬2.76
雇用や生活の安定性2.68

達成感の順位(37業界の中で):マスコミ・放送・出版 4.00 が最も高く、2番目が美容・理容 3.95 とクリエイティブ 3.94(差0.01で同率)、4番目が士業 3.90 です。最も低いのは物流・ドライバー 2.79 で、幅は 1.21 です。

雇用や生活の安定性の順位(37業界の中で):最も低いのはクリエイティブ 2.66、2番目が物流・ドライバー 2.67、3番目がマスコミ・放送・出版 2.68 です。最も高いのは警察・消防・自衛隊 4.09 で、幅は 1.43 です。

達成感と雇用や生活の安定性の開き(37業界の中で):マスコミ・放送・出版の 1.32 が最も大きく、2番目のクリエイティブ 1.28 とは0.04差でほとんど並びます。3番目は美容・理容 1.04、4番目はホテル・観光・ブライダル 0.91 です。

私生活との両立(37業界の中で):最も低いのは警察・消防・自衛隊 2.82、マスコミ・放送・出版 2.89 は建設・施工管理 2.89 と並んで下から2番目です。この項目は「その仕事をしている人が私生活との両立をどれだけ重視しているか」であって、実際の労働時間ではありません。

近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。

組み合わせ離れ方
金融 ↔ 法律・会計(弁護士・会計士)(37業界で最短)0.227
マスコミ・放送・出版 ↔ クリエイティブ0.467
マスコミ・放送・出版 ↔ 美容・理容0.504
マスコミ・放送・出版 ↔ 教育0.681
マスコミ・放送・出版 ↔ マーケティング0.763

マスコミ・放送・出版に含めた職業:新聞記者/雑誌記者/図書編集者/テレビ・ラジオ放送技術者/録音エンジニア/アナウンサー/放送ディレクター/舞台美術スタッフ/舞台照明スタッフの9職業の平均です。

このデータに含まれていないもの:給与・労働時間や拘束・業界の規模やその増減・求人数・入社の難易度。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)