「給料が上がらない、と何度も書いてある」 「斜陽産業だから早く出ろと言われた」 「メーカーから出たら、経験が通じなくなるのではないか」
転職サイトを開いて、IT系の求人を眺めてから閉じた。閉じた理由が6つのどれなのかで、読む場所が変わると思います。
「メーカー技術職はやめとけ」の中身は、だいたい6つです
| # | 言われていること | このデータで見えること |
|---|---|---|
| ① | 給料が上がらない | 求人票で確かめる |
| ② | 斜陽産業だ | これは、この先の話です |
| ③ | 成果が出るまでが長い | 面談で確かめる |
| ④ | メーカーから出たら通じない | 近い業界なら挙げられる |
| ⑤ | 人と関わらなくていいから楽 | 職種による。大きく割れる |
| ⑥ | 文系だから無理 | 職種による。12職種で割れる |
①の給料は求人票で確かめる話、②の斜陽産業かどうかはこの先の話で、どちらもこのデータの外です。この先に出てくる「向き(向き方)」は、手を動かすこと・調べて突き止めること・人と関わることなどを指します。いまその仕事に就いている人たちが、そこにどのくらい強く興味を寄せているかの数値です。
④ 「メーカーから出たら通じない」——隣はIT、次が社内SEと農林水産
メーカー技術職に興味の形がいちばん近いのは、IT・エンジニアです。37業界のどの組み合わせと比べても4番目に近い。2番目は社内SEと農林水産で、この2つは同率です。どちらもIT・エンジニアとほとんど並び、メーカー技術職の隣は、この3つで固まっています。実際に移れるかは、求人と経験しだいで、このデータの外です。
③ 「成果が出るまでが長い」——達成感は、満足の2位
周期の長さは会社ごとに違って、ここは面談で確かめるところです。「直近で世に出た製品は、いつ着手したものですか」を1つ聞いてください。同じ会社でも、部署によって年単位で違う答えが返ってくるようです。
満足の中心は「専門性が積み上がること」で、達成感が2位。積み上がることが1位に来る業界では、成果が出るまでの長さは、待てる範囲になりやすいと思います。達成感が動機の中心にあるなら、周期の長さが負荷になることがあります。
⑤ 「人と関わらなくていいから楽」——職種によります
人と関わる向き方の業界平均は、37業界で下から6番目です。下にいるのは、組立・生産ラインや製造技能のように、現場作業が中心になる5業界だけ。業界としては、確かに人と関わる量が少ない。
ただ、12職種の中では割れます。電気技術者の値は、物流・ドライバーの倉庫作業員より低い。
- 医療機器開発技術者 — 12職種で最も高い
- 自動車技術者 — それに次ぐ
- 機械設計技術者 — ほぼ並ぶ
- 電気技術者 — 12職種で最も低い
一方で、設計系(機械・自動車・精密)は業界平均より高い。この3職種では、「メーカーの技術職だから人と話さない」の逆が出ます。
⑥ 「文系だから無理」——調べる向き、プラント設計は営業並み
12職種の中で、調べて突き止める向き方も割れます。
- 分析化学技術者 — 12職種で最も高い
- プラント設計技術者 — 12職種で最も低い
プラント設計技術者は、営業の業界平均とほぼ同水準です。 「メーカー技術職=理系の極み」という括りが当てはまるのは、12職種のうちの一部でした。
「やめとけ」が当たる人と、当たらない人
- 達成感が動機の中心にある人
- 自分の見せ方を作りたい人。表現する向き方は下位で、仕様も規格も外から与えられます
- 手を動かすことか、突き止めることのどちらか一方だけが動機の人。この業界は両方の向き方が上位で並びます
同じメーカー技術職でも、設計系と電気技術者では別の話になる。そう読める人に、この6つは当たりません。
- 実物が手元にないと、考えが進まない人
- 原因が分かるところまで、降りていかないと気が済まない人
- 専門性が積み上がる感覚を、役職より上に置ける人
まとめ——触りながら突き止める形
- 「メーカーから出たら通じない」は、近い業界なら挙げられる。IT・エンジニアは、業界を37に増やしてもいちばん近いまま。移れるかどうかは求人と経験しだいで、このデータの外。「ITに移れば人と関わらずに済む」は逆で、人と関わる向き方はIT・エンジニアのほうが高い
- 「人と関わらなくていい」は職種による。12職種で割れる
- 「文系だから無理」は、12職種で割れる。プラント設計は営業の業界平均と同水準
触って確かめることと、理屈を突き止めること。その両方が要る仕事を、自分が求めているかどうか。「やめとけ」の当否を考えるのは、その答えを持ってからにしてください。
その形が自分に合うと分かったら、メーカー技術職の転職エージェントの選び方へ。
関連ページ
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- エンジニアは「やめとけ」と言われる——37業界に広げても、メーカー技術職にいちばん近い相手(社内SE・農林水産がほとんど並ぶ)
- 業界別の向き・不向き一覧——37業界を1枚の表で
メーカー技術職の職業を1つずつ見る
メーカー技術職が出てくる「向き方から探す」のページ
この記事の根拠
判定の元になった数値
このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
業界平均(向き方)
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| メーカー技術職 | 3.61 | 3.54 | 2.55 | 3.04 | 3.08 | 3.01 |
| 研究職 | 3.70 | 4.14 | 2.68 | 3.28 | 3.20 | 3.01 |
| 農林水産 | 3.77 | 3.41 | 2.44 | 2.94 | 2.88 | 3.20 |
| IT・エンジニア | 3.45 | 3.42 | 2.75 | 3.15 | 3.17 | 2.93 |
| 社内SE | 3.47 | 3.31 | 2.60 | 3.22 | 3.10 | 3.19 |
| 建設・施工管理 | 3.58 | 3.13 | 2.76 | 3.46 | 3.36 | 3.14 |
| 営業 | 3.02 | 2.97 | 2.58 | 3.84 | 3.57 | 3.20 |
| 物流・ドライバー | 3.18 | 2.61 | 2.40 | 2.87 | 2.54 | 3.20 |
| 組立・生産ライン | 3.52 | 2.83 | 2.45 | 2.65 | 2.64 | 3.07 |
太字は、比較した37業界の中での最高・最低です。手を動かして形にする向き方の最高は農林水産 3.77 と臨床検査・医療技術 3.76(差0.01で同率)、調べて突き止める向き方の最高は研究職 4.14 で、メーカー技術職はそれぞれ5番目・2番目(法律・会計 3.55 と0.01差で同率)にあたります。人と関わる向き方 3.04 は、37業界で下から6番目(下にいるのは 組立・生産ライン 2.65/製造技能 2.74/化学・素材 2.82/物流・ドライバー 2.87/農林水産 2.94)。
メーカー技術職の職業別(抜粋)
| 職業 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 分析化学技術者 | 3.98 | 4.11 | 2.18 | 2.90 | 2.76 | 3.44 |
| 医療機器開発技術者 | 3.75 | 3.65 | 2.35 | 3.40 | 3.15 | 3.15 |
| 自動車技術者 | 3.67 | 3.63 | 2.93 | 3.21 | 3.19 | 2.98 |
| 機械設計技術者 | 3.57 | 3.47 | 2.84 | 3.19 | 3.21 | 2.89 |
| 生産・品質管理技術者 | 3.41 | 3.19 | 2.46 | 3.17 | 3.24 | 3.25 |
| 電気技術者 | 3.49 | 3.17 | 2.17 | 2.56 | 2.83 | 3.02 |
| プラント設計技術者 | 3.36 | 3.00 | 2.57 | 3.16 | 3.19 | 3.02 |
12職種すべての数値は メーカー技術職に向いてる人 へ。
近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。
| 組み合わせ | 離れ方 |
|---|---|
| 金融 ↔ 法律・会計(37業界で最短) | 0.227 |
| 製造技能(金属加工) ↔ 組立・生産ライン | 0.274 |
| 販売・小売 ↔ ホテル・観光・ブライダル | 0.310 |
| メーカー技術職 ↔ IT・エンジニア | 0.326 |
| IT・エンジニア ↔ 社内SE | 0.335 |
| メーカー技術職 ↔ 社内SE | 0.374 |
メーカー技術職から見た最も近い相手はIT・エンジニア 0.326 で、2番目は社内SE 0.374 と農林水産 0.375 の同率です(どちらもIT・エンジニアとの差は0.05未満)。
他業界の職種との比較:倉庫作業員(物流・ドライバー)の人と関わる向き方は 2.74。
仕事価値観(上位3項目):専門性 3.76/達成感 3.53/自律性 3.49。
このデータに含まれていないもの:年収・産業の成長性・開発から量産までの周期・求人数。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)