「安定していると言われるのに、続けるなという話ばかり出てくる」 「このまま残ると潰しが効かなくなる、と何度も言われた」 「辞めたほうがいいのか、辞めても何も残らないのか」
「役所は前例どおりにしか動かない」と、先に辞めた先輩が言っていた。決まった手順を回す関心で見ると、業界の平均は37業界の6番目で、関心の側では言い分に近い位置です。ただ6職種の中の開きは、37業界の端から端より大きく出ます。
「公務員はやめとけ」の中身は、だいたい5つです
| # | 言われていること | このデータで見えること |
|---|---|---|
| ① | 給料が上がらない/年功で決まる | 公表資料で確かめる |
| ② | 異動も昇進も自分で選べない | 働いている人に聞く |
| ③ | 潰しが効かない、民間で通用しない | 近い業界なら挙げられる |
| ④ | 前例主義で、手順ばかり | 業界平均としては当たっています。ただし条件つき |
| ⑤ | どうせ「公務員」はどれも同じ | 6職種で割れます。ここが最大のズレ |
①の給料は公表資料で確かめるもので、②の異動や昇進は、働いている人に聞くと見えてきます。この先で「関心」と呼ぶのは、その仕事に就いている人自身が答えた興味の方向です。手順を回す・人と関わるなど6つの向きに分けて、平均した値を使っています。
③ 「潰しが効かない」——いちばん近いのは法律・会計と金融
公務員(行政)に興味の形が最も近い業界は2つあります。近さは、どちらも同じでした。法律・会計(弁護士・会計士)と、金融です。3番目に近い警察・消防・自衛隊と鉄道・航空・海運(この2つは同じ近さ)も、近い側です。
いちばん近い2つが、どちらも役所の外の業界だというのは、動く前に知っておいていいと思います。近さは興味の形だけで、転職しやすさや、弁護士・会計士の資格の要否は入っていません。
④ 「前例主義」——手順への関心は、業界の中のほうが37業界より開く
決まった手順を正確に回すことへの関心は、37業界の中で6番目です。上位に入ります。ただ、この関心は業界の中で大きく開いていて、その開きは37業界の平均どうしの開きを上回ります。手順を回すほうへ強く向く職種もあれば、向きの弱い職種もあります。手順を回す関心が高いかどうかは、職種まで下りて初めて言えます。
「手順に耐えられなかった」と感じたとき、それが公務という仕事への向き不向きなのか、その配属への向き不向きなのかは、分けて考えられます。
⑤ 「公務員はどれも同じ」——両端は労働基準監督官と国際公務員
公務員(行政)として収録されている6職種を並べると、人と関わることへの関心の上下が大きく離れていました。業界の中の開きを37業界それぞれで測ると、公務員(行政)のこの開きがいちばん大きく出ます。
業界の中のほうが、37業界の平均どうしを並べた幅より開いています。 最も高いのは労働基準監督官、最も低いのは国際公務員です。
この業界では、人と関わる関心と手順への関心が、職種の側で分かれます。 6職種でどう割れるかは、公務員に向いてる人へ。
「安定しか無い」——専門性の重みは、37業界の真ん中
このデータで測れているのは、その仕事をしている人が、雇用や生活の安定性をどれだけ重く見ているかです。実際に安定しているかどうかは、また別の話になります。
そのうえで見ると、公務員(行政)は、37業界の中で2番目です。上にいるのは警察・消防・自衛隊だけです。
上位には、ほかの項目も入っています。3位は奉仕・社会貢献と自己成長が同じ高さで並び、その次に私生活との両立が来ます。 奉仕・社会貢献と私生活との両立は、37業界でも上のほうに入る項目です。一方、2位の専門性は、37業界では20番目で、ほぼ真ん中です。
「安定しか無い」ではなく、「積み上がる側が真ん中に落ちる」。そう言ったほうが数値には近い形かもしれません。
関心で見ると、表現を持ち込みたい人に当たり、職種で読む人には当たらない
- 決まった形から外れて、自分なりの表現で何かを作りたい人。表現することへの関心は37業界の下から8番目です
- 専門性が積み上がることを、いちばん上に置いている人
- 業界名を手がかりに、自分の向き不向きを決めたい人
「公務員」でひとくくりにせず、職種の話として読める人には、④と⑤は当たりません。関心と、大事にするものの形で当たらないのは、次のような人です。
- 1つの場所に長く居続けられることを、大事にしている度合いが高い人
- 自分の仕事が誰かの生活を下から支えていることに、意味を感じる人。奉仕・社会貢献は37業界で9番目です
まとめ——手順への関心は、公務員という名前より職種で変わる
- 「前例主義」は、手順への関心の業界平均としては当たっている。手順への関心は37業界で6番目だが、同じ業界の中で大きく割れる
- 「公務員はどれも同じ」は違う。人と関わる関心の割れ方が、37業界で1位
- 「潰しが効かない」は、近い業界なら挙げられる。最も近いのは法律・会計と金融で、同じ近さ。どちらも役所の外の業界だが、移れるかどうかは求人と経験しだいで、このデータの外
合っていないのが公務という仕事なのか、その配属だったのか。ここを分けないまま読み続けると、「やめとけ」の理由は増える一方で、自分に当てはまるかどうかは分からないままだと思います。手順を回す関心は、業界の平均なら37業界の6番目でも、6職種の中では37業界の端から端より大きく開いています。
どちらかが決まったら、公務員の転職エージェントの選び方へ。
関連ページ
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- 業界別の向き・不向き一覧——37業界を1枚の表で
公務員(行政)の職業を1つずつ見る
公務員(行政)が出てくる「向き方から探す」のページ
この記事の根拠
判定の元になった数値
このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
業界平均(向き方)
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公務員(行政) | 3.11 | 3.24 | 2.44 | 3.58 | 3.10 | 3.46 |
| 法律・会計(弁護士・会計士) | 2.96 | 3.55 | 2.45 | 3.62 | 3.36 | 3.28 |
| 金融 | 3.06 | 3.42 | 2.34 | 3.59 | 3.42 | 3.19 |
| 警察・消防・自衛隊 | 3.43 | 3.04 | 2.18 | 3.75 | 3.13 | 3.47 |
| 管理部門(担当) | 3.09 | 2.98 | 2.47 | 3.13 | 3.22 | 3.36 |
| 一般事務・オフィスワーク | 3.02 | 2.69 | 2.48 | 3.35 | 2.92 | 3.40 |
| 管理部門(課長級) | 3.25 | 3.12 | 2.32 | 3.73 | 3.78 | 3.58 |
| コンサル | 2.89 | 3.19 | 2.65 | 3.49 | 3.63 | 2.69 |
太字はこの表の中での最大・最小で、決まった手順を正確に回す向き方の 3.58 と 2.69 は、37業界でも最高と最低です。
37業界での位置(公務員(行政)):決まった手順を正確に回す向き方 3.46 は6番目(上は 管理部門(課長級)3.58/士業 3.50/鉄道・航空・海運 3.48/警察・消防・自衛隊 3.47/臨床検査・医療技術 3.47)。調べて突き止める向き方 3.24 は17番目。人と関わる向き方 3.58 も17番目(金融・飲食 3.59 と同率)。手を動かして形にする向き方 3.11 は26番目。人を説得し動かす向き方 3.10 は18番目(社内SE・美容・理容と同値)。表現することへの向き方 2.44 は下から8番目(農林水産と同値)。
仕事価値観(11項目・公務員(行政))
| 項目 | 値 | 37業界での位置 |
|---|---|---|
| 雇用や生活の安定性 | 3.80 | 2番目 |
| 専門性 | 3.65 | 20番目 |
| 奉仕・社会貢献 | 3.50 | 9番目 |
| 自己成長 | 3.49 | 18番目 |
| 私生活との両立 | 3.41 | 5番目(農林水産と同値) |
| 自律性 | 3.36 | 21番目 |
| 労働安全衛生 | 3.32 | 15番目 |
| 達成感 | 3.30 | 26番目 |
| 社会的認知 | 3.23 | 7番目(警察・消防・自衛隊と同値) |
| 良好な対人関係 | 3.16 | 29番目 |
| 報酬 | 3.00 | 15番目 |
これは「実際にどうか」ではなく「その仕事をしている人が何を重く見ているか」の数値です。 実際の雇用条件・年収・労働時間は、このデータには入っていません。
雇用や生活の安定性の上位5業界:警察・消防・自衛隊 4.09/公務員(行政)3.80/医師・歯科医師 3.69/金融 3.62/研究職 3.59。
「積み上がる側」とは、達成感・自律性・専門性・自己成長の4項目です。公務員(行政)では、この4項目の37業界での順位が 26番目・21番目・20番目・18番目で、いずれも真ん中付近に落ちます。
業界内の幅:公務員(行政)の中で最も開くのは、人と関わる向き方の 1.92(労働基準監督官 4.74 ←→ 国際公務員 2.82)。37業界それぞれの「業界の中で最も開いた向き方の幅」を並べると1位です(2位は 研究職 1.83、3位は 金融 1.79)。
次に開くのは 決まった手順を回す向き方の 1.43(労働基準監督官 4.32 ←→ 社会教育主事 2.89)。職種ごとの内訳は 公務員に向いてる人 へ。
比較に使った37業界の幅:人と関わることは リハビリ・治療 4.20 ←→ 組立・生産ライン 2.65 で 1.55。決まった手順を回すことは 管理部門(課長級)3.58 ←→ コンサル 2.69 で 0.89。
近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。公務員(行政)に最も近いのは法律・会計(弁護士・会計士)と金融で、この2つは同じ近さ。3番目が警察・消防・自衛隊と鉄道・航空・海運で、この2つも同じ近さでした。37業界の中で「最も近い相手までが遠い」業界は、研究職とコンサルです。
公務員(行政)に含めた職業:国家公務員(行政事務)/地方公務員(行政事務)/税務事務官/国際公務員/社会教育主事/労働基準監督官の6職業の平均です。警察官・消防官・自衛官・刑務官・海上保安官・麻薬取締官は、警察・消防・自衛隊のほうに分けており、こちらでは数えていません。
このデータに含まれていないもの:年収・給与の決まり方・労働時間・求人数・採用試験の内容や難易度・倍率・職階や役職・異動や配属の仕組み・退職金や年金の制度。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)