「入ってみたら、思っていた仕事と全然違ったという話を聞いた」 「単調な作業だから、何も身につかないぞ、とも言われた」 「そう言われても、どこを確かめればいいのか分からない」
「化学メーカー」と書いた志望動機の下書きが、どの仕事のことなのか、自分でも言えない。表現する関心で並べると、同じ業界の上と下の端に立つのは、陶磁器製造と化粧品製造です。
「化学メーカーはやめとけ」の中身は、だいたい5つです
| # | 言われていること | このデータで見えること |
|---|---|---|
| ① | 給料が上がらない | 求人票で確かめる |
| ② | 業界の先が無い | これは、この先の話です |
| ③ | 入ってみたら、思っていた仕事と違う | 向き方なら言える |
| ④ | 単調な作業で、何も身につかない | 満足の置きどころなら言える |
| ⑤ | 人と関わらない・閉鎖的 | 位置なら言える |
①の給料は求人票で確かめてください。②の業界の先はこの先の話です。「向き(向き方)」は、その仕事をしている人がどれに興味を持って働いているかを、6つの向きで並べた数値です。表現すること、人と関わること、手を動かすことなどがあります。この先の見出しと本文では、これを「関心」と呼びます。
③ 「思っていた仕事と違う」——装置で作る仕事と、手と目で作る仕事
業界名の下に、別々の仕事が入っています。
- 装置と条件で作る仕事 — 医薬品製造、化学製品製造オペレーター、タイヤ製造、化粧品製造、ファインセラミックス
- 手と目で作る仕事 — 陶磁器、染色、織布、ミシン縫製、木材、家具、建具、靴、かばん
プラスチック成形と紙器製造は、どちらとも言い切れないので、ここには入れていません。
数値でも、それが出ています。表現する関心は業界の中で大きく開いていて、最も高いのが陶磁器製造、最も低いのが化粧品製造です。
3つ目があります。開発と設計の技術者です。分析化学技術者、高分子化学技術者、プラント設計技術者などは、この業界ではなく「メーカー技術職」のほうに入っています。「化学メーカーに入る」という言い方は、少なくとも3つの違う仕事を指しているわけです。「思っていたのと違った」と言われるとき、指しているのはこの開きかもしれません。
職種の割り方は化学メーカーに向いてる人へ。
④ 「何も身につかない」——重く見る上位3を、積み上がる項目が占める
実際に何が身につくかは、このデータの外です。測っているのは、この仕事をしている人が何を重く見ているかです。この業界で最も高いのは「専門性が積み上がること」。2番目は「やり遂げた手応え」と「自分の裁量で決められること」が同率で並びます。上位3つが、すべて積み上がる側の項目です。
言えるのは、この仕事をしている人の平均が、積み上がることを重く見ている、というところまでです。業界の中を職業まで割っても、積み上がる側の項目が、多くの職業で上位3に入ります。
例外もあります。化粧品製造は、私生活が1位で、そのあとに対人関係と労働安全が続きます。数値が指しているのは、「積み上がることを重く見ている業界」のほうです。
⑤ 「人と関わらない」——人と関わる関心は37業界の下から3番目
特定の工場の雰囲気や人間関係は、職場ごとの話です。化学・素材・日用品製造の人と関わる関心は、比較した37業界の中では下から3番目です。人を説得して動かす関心も、37業界の下のほうにあります。人とのやりとりを手応えの中心に置きたい人とは、業界の平均の向きが逆です。
ただ、業界の中でも差はあります。ファインセラミックス製造技術者や靴製造のように、人を説得して動かす関心が業界内で高い職業もあります。
看板で絞る人と、人を動かすことに手応えを求める人に、関心の値では当たる
- 「化学メーカー」という看板だけで応募先を絞っている人。表現する関心が両端に開いた職業が、同じ枠に入ります
- 人とのやりとりを、仕事の手応えの中心にしたい人。人と関わる関心は37業界で下から3番目です
- 人を説得して動かすことに、仕事の手応えを求めたい人。人を説得して動かす関心は、37業界の下のほうです
装置で作る仕事と、手で作る仕事を分けて見ている人には、③は、関心の側では当たりません。関心と大事にするものの値で見て当たらないのは、次のような人です。
- 原料や素材の性質を知ること自体に、楽しさを感じる人
- 同じ配合でも日によって出来が違う、その理由を追いたい人
- 年数を重ねるほど、手元の技術が増えていくことに手応えを感じたい人
まとめ——化学メーカーの看板を、1段下ろして読む
- 「思っていた仕事と違う」は、向き方なら言える。装置で作る仕事と手で作る仕事が同居していて、表現する関心が業界の中で大きく開く(両端は陶磁器製造と化粧品製造)。分析化学や高分子化学の技術者はこの業界ではなくメーカー技術職のほうに入っている
- 「何も身につかない」は、満足の置きどころなら言える。ただし別の項目。重く見る1位が専門性、同率の2位が手応えと自分の裁量で、3つとも積み上がる側
- 「人と関わらない」は、位置なら言える。人と関わる関心は37業界で下から3番目。職場の人間関係は職場ごとの話
確かめる場所は、自分が向きたいのが、装置と条件のほうなのか、手と目のほうなのか。そこが決まれば、業界名の1つ下まで降りて求人を見られます。同じ「化学メーカー」の下に、表現への関心がいちばん強い陶磁器製造と、いちばん弱い化粧品製造が入っています。
向きたい側が決まったら、化学・素材・日用品製造の転職エージェントの選び方へ。
関連ページ
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- 業界別の向き・不向き一覧——37業界を1枚の表で
化学・素材・日用品製造が出てくる「向き方から探す」のページ
この記事の根拠
判定の元になった数値
このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
業界平均(向き方)
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 化学・素材・日用品製造 | 3.44 | 3.03 | 2.82 | 2.82 | 2.85 | 3.11 |
| 製造技能(金属加工) | 3.32 | 2.99 | 2.47 | 2.74 | 2.67 | 3.07 |
| 食品製造 | 3.49 | 3.02 | 2.62 | 3.18 | 2.93 | 3.33 |
| 組立・生産ライン | 3.52 | 2.83 | 2.45 | 2.65 | 2.64 | 3.07 |
| メーカー技術職 | 3.61 | 3.54 | 2.55 | 3.04 | 3.08 | 3.01 |
| 建設技能・職人 | 3.74 | 2.98 | 2.84 | 3.22 | 2.90 | 3.20 |
| 物流・ドライバー | 3.18 | 2.61 | 2.40 | 2.87 | 2.54 | 3.20 |
| クリエイティブ | 3.58 | 3.40 | 3.93 | 3.41 | 3.33 | 2.91 |
| 警察・消防・自衛隊 | 3.43 | 3.04 | 2.18 | 3.75 | 3.13 | 3.47 |
| リハビリ・治療 | 3.31 | 3.52 | 2.69 | 4.20 | 3.07 | 3.12 |
太字は、比較した37業界の中での最高・最低です。
人と関わる向き方の順位(37業界の中で下から):組立・生産ライン 2.65 / 製造技能(金属加工)2.74 / 化学・素材・日用品製造 2.82(下から3番目) / 物流・ドライバー 2.87 / 農林水産 2.94。
人を説得して動かす向き方の順位(37業界の中で下から):物流・ドライバー 2.54 / 組立・生産ライン 2.64 / 製造技能(金属加工)2.67 / 臨床検査・医療技術 2.79 / ビルメンテナンス・施設管理 2.82 / 化学・素材・日用品製造 2.85(下から6番目)。
製造系5業界の中での、表現する向き方:化学・素材・日用品製造 2.82(最も高い。5業界で唯一 2.7 を超える) / 食品製造 2.62 / メーカー技術職 2.55 / 製造技能(金属加工)2.47 / 組立・生産ライン 2.45。37業界で見ると、化学・素材・日用品製造の 2.82 は上から11番目です。
業界内の幅について:16職業の、表現する向き方の幅は 1.36。最も高いのが陶磁器製造、最も低いのが化粧品製造です。業界平均どうしの幅とは単位が違います。
仕事価値観(化学・素材・日用品製造・11項目)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 専門性が積み上がること | 3.40 |
| 達成感(やり遂げた手応え) | 3.31 |
| 自律性(自分の裁量で決められること) | 3.30 |
| 私生活との両立 | 3.25 |
| 自己成長 | 3.23 |
| 対人関係 | 3.15 |
| 労働安全 | 3.02 |
| 雇用や生活の安定性 | 2.97 |
| 奉仕貢献 | 2.73 |
| 社会的認知 | 2.68 |
| 報酬 | 2.65 |
「積み上がる側の項目」とは、達成感・自律性・専門性・自己成長の4つです。この業界は、上位3つがすべてその4項目の中から出ています。
この11項目は「その仕事をしている人が、何をどれだけ重視しているか」の数値です。報酬は実際の給与額ではなく、私生活・労働安全も実際の休日数や事故率ではありません。
化粧品製造は私生活 3.38 が1位で、条件の側が上位を占める数少ない職業です。ファインセラミックス製造技術者は、調べて突き止める向き方 3.90 が業界内で最も高く、人を説得し動かす向き方 3.28 も靴製造 3.24 とほとんど並んで最も高い値です。職種ごとの割り方は化学メーカーに向いてる人へ。
近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。化学・素材・日用品製造に最も近いのが製造技能(金属加工)、次が食品製造でした。
化学・素材・日用品製造に含めた職業:陶磁器製造/プラスチック成形/織布工/染色工/ミシン縫製/木材製造/家具製造/紙器製造/建具製造/靴製造/かばん・袋物製造/医薬品製造/タイヤ製造/化粧品製造/化学製品製造オペレーター/ファインセラミックス製造技術者の16職業の平均です。
この業界に入っていない職業:分析化学技術者/高分子化学技術者/バイオテクノロジー技術者/プラント設計技術者などは、メーカー技術職に入れてあります。
このデータに含まれていないもの:収入・労働時間・休日数・交替勤務の形・求人数・年齢構成・雇用の形態・企業規模・業界の将来性・個別の工場の設備や作業環境・取り扱う物質に関する規制や資格の要件。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)