美容師の「やめとけ」、美容・理容は自分が伸びる実感を37業界でいちばん重く見る

中身を先に(6項目)

「食べていけないぞ、と言われた」 「体を壊すまでが早い、とも言われた」 「でも、手に職だから大丈夫だという人もいる」

練習会の帰り道、去年の自分より手が動くようになったことを数えている。自分が成長していく実感を重く見る度合いで37業界を比べると、いちばん高いのが美容・理容です。


「美容師・理容師はやめとけ」の中身は、だいたい5つです

このデータで答えられるデータの外で確かめる
#言われていることこのデータで見えること
①給料が安い。食べていけない求人票で確かめる
②拘束時間が長い。休みが取れない求人票で確かめる
③手や体を壊して辞める人が多い働いている人に聞く
④どうせ長くは続けられない満足の置きどころなら言える
⑤手に職だから、何があっても大丈夫満足の置きどころなら言える

①の給料と②の拘束時間は求人票で確かめてください。③の手や体のことは、働いている人に聞くよりほかに無い。「向き(向き方)」は、その仕事をしている人の興味を表す、6つの向きの数値です。表現する、手を動かす、人と関わる。その方向のどれに強いかを見ています。この先の見出しと本文では、これを「関心」と呼びます。

④ 「長くは続けられない」——辞める人の数は、公表されている離職率の側

何年で辞める人が多いかは測っていなくて、公表されている離職率のほうを見てもらう話です。この仕事をしている人が「働き続けられること」を重く見る度合いは、37業界で下から6番目です。これは、その仕事をしている人が、何を仕事選びの軸に置いているかの数値です。 この業界の平均は、続くかどうかを、そもそもあまり軸に置いていません。

下から6番目という位置は、クリエイティブ・マスコミ・ホテル・建設技能と同じ帯です。接客の業界も、ものや作品を作る業界も、同じ帯に入っています。

⑤ 「手に職だから大丈夫」——積み上がる側を重く見る度合いは、そろって37業界の上位

自分が成長していく実感を大事にする度合いは、比較した37業界の中で最も高い数値です。これは7職業の平均で、職業別に見ると、美容師のこの度合いは7職業の中で下から2番目です。平均を押し上げているのは、リフレクソロジスト・ネイリスト・アロマセラピストです。一緒に働く人との関係を大事にする度合いも、ホテル・観光・ブライダルと並んで37業界で最も高い数値です。満足の上位2つ、専門性が積み上がることとやり遂げた手応えも、37業界の上位に入ります。

積み上がることと、続けられることは、この業界では別の項目になっています。片方は37業界の最高で、もう片方は下から6番目。同じ「大丈夫」という言葉が指せるのは、片方までだと思います。


「どうせ接客業」——表現する関心の上にいるのは、クリエイティブとマスコミだけ

「どうせ接客業だから、どこでも同じ」という言われ方もあります。そこは違います。美容・理容の表現する関心は、比較した37業界の中で3番目です。上にいるのはクリエイティブとマスコミ・放送・出版で、販売・小売もホテル・観光・ブライダルも、それより低く出ます。

同じ「人と向き合う仕事」でも、この部分の高さがまったく違います。人と関わる関心が高いのは共通していますが、そこに表現する関心が乗っているかどうかで、関心の形は変わります。

移る先を考えるときに、この差を見ておくといいと思います。 接客の経験でくくって販売やホテルを見ると、表現する関心の差が見えなくなります。業界の中でも差はあります。表現する関心が最も高いのはネイリスト、最も低いのはエステティシャンです。

職種の割り方は美容師に向いてる人へ。


関心と重みの範囲で、安定を重く見る人に当たり、積み上げで動く人には当たらない

  • 雇用や生活の安定を、仕事選びの先頭に置く人。この業界の平均は、雇用や生活の安定性を重く見る度合いが、37業界で下から6番目です
  • 外からの肩書きや評価を、続ける燃料にしている人。積み上がることには重みが置かれていますが、外からの評価に置かれる重みは、そこより下です
  • 手で形を作ることには関心がなく、人と話すことだけが目当てで来た人。この業界の表現する関心は、37業界で3番目です

積み上がることを、続けられることより先に置いている人には、④は、大事にするものの側では当たりません。関心と、大事にするものの形で見て当たらないのは、次のような人です。

  • 自分の手で形を作りたい人
  • 受け取る相手が、目の前にいる仕事がしたい人
  • 前の年よりできることが増えた。それが、続ける支えになる人

まとめ——真逆の2つの言われ方は、別々の重みを見ている

  • 「どうせ接客業だから、どこでも同じ」とは形が違う。表現する関心は37業界で3番目で、販売・小売やホテルより高い
  • 「手に職だから大丈夫」は、満足の置きどころなら言える。自分が成長していく実感を重く見る度合いは37業界でいちばん高く、一緒に働く人との関係を重く見る度合いもホテルと並んで最も高く、1位が専門性。積み上がることと続けられることは別の項目で、同じ言葉が指せるのは片方まで
  • 「長くは続かない」は、満足の置きどころなら言える。働き続けられることを重視する度合いは、37業界で下から6番目

自分が求めているのが、積み上がることなのか、続けられることなのか。それが決まれば、真逆の2つの言われ方のうち、大事にするものの側で自分に近いほうが見えてきます。「やめとけ」が正しいかどうかは、その言い換えにすぎません。そこを求めて来たのかどうかを、最初に確かめておく。自分が伸びる実感を、37業界でいちばん重く見る業界です。

どちらを取るかが決まったら、美容師の転職エージェントの選び方へ。


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この記事の根拠

判定の元になった数値

このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
美容・理容3.443.433.604.093.103.06
クリエイティブ3.583.403.933.413.332.91
マスコミ・放送・出版3.473.473.703.783.432.87
教育3.193.353.203.923.303.16
販売・小売3.282.772.843.983.243.26
ホテル・観光・ブライダル3.032.822.863.943.353.13
飲食3.253.052.963.593.063.15
リハビリ・治療3.313.522.694.203.073.12
医療・介護・保育3.072.942.594.112.933.18
組立・生産ライン3.522.832.452.652.643.07
警察・消防・自衛隊3.433.042.183.753.133.47

太字のうち 3.93・4.20・2.65・2.18 は、比較した37業界の中での最高・最低です。

表現することへの向き方の順位(37業界の中で):最も高いのはクリエイティブ 3.93、2番目がマスコミ・放送・出版 3.70、3番目が美容・理容 3.60、4番目がマーケティング 3.22、5番目が教育 3.20。販売・小売 2.84 は下から28番目、ホテル・観光・ブライダル 2.86 は下から30番目です。最も低いのは警察・消防・自衛隊 2.18 で、幅は 1.75。

仕事価値観(美容・理容・11項目)

項目値37業界での位置
専門性が積み上がること4.07上から3番目
達成感(やり遂げた手応え)3.95上から2番目
自己成長3.90最も高い
自律性(自分の裁量で決められること)3.78上から3番目
良好な対人関係3.67最も高い(ホテル・観光・ブライダルと同率)
労働安全3.53上から2番目(リハビリ・治療と同値)
私生活との両立3.46上から3番目
奉仕貢献3.31上から11番目
社会的認知3.09中位
雇用や生活の安定性2.91下から6番目
報酬2.79下から18番目

自己成長の順位(37業界の中で):最も高いのは美容・理容 3.90、2番目が研究職 3.83、3番目が士業 3.81。最も低いのは物流・ドライバー 2.67。

職業別の自己成長(7職業の中で):リフレクソロジスト 4.07/ネイリスト 4.00/アロマセラピスト 4.00 が高く、美容師 3.75 は下から2番目です(最も低いのは理容師 3.67)。

対人関係の順位(37業界の中で):美容・理容 3.67 とホテル・観光・ブライダル 3.66 が同率(差0.01)、3番目が士業 3.63。最も低いのは物流・ドライバー 2.86。

雇用や生活の安定性の順位(37業界の中で下から):クリエイティブ 2.66 / 物流・ドライバー 2.67 / マスコミ・放送・出版 2.68 / ホテル・観光・ブライダル 2.87 / 建設技能・職人 2.89 / 美容・理容 2.91(下から6番目) / 製造技能(金属加工)2.95 / 組立・生産ライン 2.96。

この11項目は「その仕事をしている人が、何をどれだけ重視しているか」の数値です。報酬は実際の給与額ではなく、雇用や生活の安定性も離職率や倒産率ではありません。労働安全も、実際の事故率や体への負担ではありません。

表現することへの向き方は、ネイリスト 4.46 が業界内の最大、エステティシャン 2.85 が業界内の最小です。業界内の幅は 1.61。職種ごとの割り方は美容師に向いてる人へ。

近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。美容・理容に最も近いのがマスコミ・放送・出版、次が教育でした。

美容・理容に含めた職業:理容師/美容師/エステティシャン/メイクアップアーティスト/ネイリスト/アロマセラピスト/リフレクソロジストの7職業の平均です。

このデータに含まれていないもの:収入・歩合や指名料の仕組み・労働時間・休日数・練習時間の扱い・離職率・求人数・年齢構成・資格の種類や取得の難易度・独立や開業の条件・施術の効果や技術の内容・手や腰への負担。この記事は、治療や健康への効果について一切何も述べていません。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)