「クライアントの要望をくみ取れる人が向いている、と書いてある」
「チームで動けないと務まらない、とも言われる」
「生活を犠牲にしてでも作り込める人だ、という説明もある」
心構えの話ばかりで、この職種を選ぶ理由まで下りてこない。5つの心構えが、11項目のどこに当たるのかを見ます。
「Webデザイナーに向いてる人」の中身——安全の重みは、11職業で4番目
| # | 言われていること | このデータで見えること |
|---|---|---|
| ① | クライアントと話せて、要望をくみ取れる人 | 同じ業界の12職業の中では下側に出ます |
| ② | 裏方でよくて、名前が前に出なくても平気な人 | 向き方なら言える |
| ③ | 誰かの役に立つものを作りたい人 | 向き方なら言える。ただし別の項目 |
| ④ | 未経験からでも、独学で始められる人 | 求人票で確かめる |
| ⑤ | 生活を後回しにしてでも、作り込める人 | この職業の11項目の中では逆に出ます |
「向き方なら言える」(②③)の向き(向き方)は、人当たりの良し悪しではありません。いまWebの制作で働いている人が何を重く見ているか。その並びを、同じクリエイティブの職業と比べて言える、という限定です。
比べている相手は、クリエイティブに分類した12の職業です。Webデザイナーのほかに、グラフィックデザイナー・広告デザイナー・インテリアデザイナー・ファッションデザイナー・インダストリアルデザイナー・イラストレーター・コピーライター・テクニカルライター・雑誌編集者・映像編集者・商業カメラマンが入ります。満足の置きどころだけは、11の項目に値のそろわないテクニカルライターを外した11職業で数えています。
人と組んで進めること自体が動機の中心にある人は、ここで外れます。人と関わる向き方が、12職業の下から4番目だからです。生活の側を条件に残したまま作り続けたい人は、この位置と揃います。私生活との両立は、この職業の11項目で2番目です。
① 要望をくみ取れる人——関わる向きは、下から4番目
人と関わる向き方の上位3つは、雑誌編集者・映像編集者・インダストリアルデザイナーです。
Webデザイナーは、12職業の下から4番目です。人を説得し、動かす向き方も、上から8番目にとどまります。まわりと良い関係でいられることを大事にしている度合いは、11職業の下から2番目です。人に関わる3つの項目が、そろって下側に出ます。
やりとりが少ない仕事だという意味ではありません。打ち合わせの回数も、修正の往復も、測っていません。
② 裏方でよくて——認知の重みは、11職業で下から2番目
外からどう見られるかを大事にしている度合いは、11職業の下から2番目です。グラフィックデザイナーと同じ値です。いちばん上はインテリアデザイナーです。
ただし、実際に名前が出るかどうかは別です。作ったものだけが手元に残ればいい、という形に近いところにいるのだと思います。
③ 役に立つものを——役に立つ重みは、11職業で7番目
社会や人の役に立つことを大事にしている度合いは、11職業の上から7番目です。上にはインテリアデザイナーとインダストリアルデザイナーが、離れて立ちます。
上へ出るのは別の項目のほうです。安全に働けることを大事にしている度合いは、11職業の上から4番目です。
どちらも「どれだけ大事にしているか」の値です。実際の役立ち方も、職場の安全の実態も、働いている人に聞く側にあります。
④ 独学で始められる人——調べる向きは、12職業の真ん中
選考の通り方も、求人の数も、必要な経験も、求人票で確かめてください。
調べて突き止める向き方は、12職業の真ん中です。上に来るのはインダストリアルデザイナー・イラストレーター・コピーライター・雑誌編集者・映像編集者です。すぐ上の映像編集者とは、ほとんど並びます。
調べ続けることが動機の中心にある人にとって、この位置は真ん中どまりかもしれません。線が引けたのは、人と組むかどうかと、生活を残すかどうかのほうでした。
⑤ 生活を後回しにしてでも——両立の重みは、専門性のすぐ下
この職業が持つ11項目を自分の中だけで並べると、いちばん上に来るのは専門性です。
私生活との両立は、そのすぐ下です。2つはほとんど並びます。生活を後ろに置く形は、この職業の11項目の中では逆に出ます。
興味の向き——クリエイティブの12職業の中では、決まった手順を正確に回すが2位
- 手を動かす
- 7位(同率2)
- 調べて突き止める
- 6位
- 表現する
- 11位
- 人と関わる
- 9位
- 人を動かす
- 8位
- 決まった手順を正確に回す
- 2位
これは同じ業界の職業の中での順位です。ごくわずかな差は同率として数えています。
満足の置きどころ——いちばん高いのは専門性
- 1位
- 専門性
- 2位
- 私生活
- 3位
- 労働安全
- 3位(同率)
- 達成感
これは、その職業に就いている人が何を大事にしているかです。
同じところに満足を置く職業を、業界をまたいで見る:手に職をつけたい人へ、資格から探すと外す
まとめ——「生活を削る」が逆、人に関わる3項目はそろって下側
- 「クライアントの要望をくみ取れる人」は、12職業に並べると下側に出る。人と関わる向き方は下から4番目、人を説得し動かす向き方は上から8番目、良好な対人関係は11職業で下から2番目
- 「誰かの役に立つものを」は向き方なら言える。ただし上に出るのは別の項目。社会や人の役に立つことは11職業の上から7番目で、この職業の11項目のうち真ん中に来る唯一の項目
- 「生活を後回しにしてでも」は、この職業の11項目の中では逆を向く。私生活との両立は、いちばん上の専門性のすぐ下に来る
生活を残したまま作るのか、削って作るのか。人当たりが要るかどうかより、先に決まるのはこちらです。
どのエージェントを選ぶかは、クリエイティブの転職エージェントの選び方に置いています。
この記事の根拠
この職業の数値をひらく
比べている相手:クリエイティブに分類した12職業です(job tag の表記では「Webデザイナー(Web制作会社)」)。満足の置きどころだけは11職業——テクニカルライターは、この11項目に値がありません。本文の「上から◯番目」「下から◯番目」「真ん中」は、すべてこの集合の中での順位で、他の業界や job tag 全体の中での順位ではありません。
| 項目 | 回答の平均が高い順(左から) | 注 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ①で使った値——人と関わる(社会的)・高い順 | 雑誌編集者 3.86 | 映像編集者 3.67 | インダストリアルデザイナー 3.63 | コピーライター 3.52 | 商業カメラマン 3.52 | インテリアデザイナー 3.46 | テクニカルライター 3.37 | グラフィックデザイナー 3.33 | Webデザイナー 3.20 | 広告デザイナー 3.16 | イラストレーター 3.14 | ファッションデザイナー 3.10 | |
| ①で使った値——人を説得し、動かす(企業的)・高い順 | 雑誌編集者 3.68 | インダストリアルデザイナー 3.58 | コピーライター 3.50 | 商業カメラマン 3.47 | ファッションデザイナー 3.37 | グラフィックデザイナー 3.33 | インテリアデザイナー 3.32 | Webデザイナー 3.26 | 映像編集者 3.22 | 広告デザイナー 3.18 | テクニカルライター 3.11 | イラストレーター 2.98 | |
| ①で使った値——良好な対人関係・高い順 | インダストリアルデザイナー 3.88 | インテリアデザイナー 3.87 | 商業カメラマン 3.63 | コピーライター 3.59 | 雑誌編集者 3.59 | 映像編集者 3.51 | ファッションデザイナー 3.47 | 広告デザイナー 3.21 | イラストレーター 3.18 | Webデザイナー 3.09 | グラフィックデザイナー 3.04 | ||
| ②で使った値——社会的認知(外からどう見られるかを大事にしている度合い)・高い順 | インテリアデザイナー 3.45 | インダストリアルデザイナー 3.30 | ファッションデザイナー 3.18 | イラストレーター 3.10 | 雑誌編集者 3.06 | 商業カメラマン 2.91 | 広告デザイナー 2.85 | コピーライター 2.79 | Webデザイナー 2.75 | グラフィックデザイナー 2.75 | 映像編集者 2.54 | グラフィックデザイナーと同値で並び、下にいるのは映像編集者だけです。 | |
| ③で使った値——奉仕・貢献(社会や人の役に立つことを大事にしている度合い)・高い順 | インテリアデザイナー 3.29 | インダストリアルデザイナー 3.24 | イラストレーター 2.90 | 雑誌編集者 2.89 | 商業カメラマン 2.84 | コピーライター 2.83 | Webデザイナー 2.75 | ファッションデザイナー 2.71 | 映像編集者 2.68 | 広告デザイナー 2.67 | グラフィックデザイナー 2.59 | ||
| ③で使った値——労働安全衛生(安全に働けることを大事にしている度合い)・高い順の上位5 | ファッションデザイナー 3.67 | コピーライター 3.60 | インテリアデザイナー 3.55 | Webデザイナー 3.49 | 広告デザイナー 3.46(最も低いのは映像編集者 3.16) | ||||||||
11項目の順位:Webデザイナーの11項目を、11職業の中での順位に置き直すと——私生活との両立 3位/雇用や生活の安定性 3位/労働安全衛生 4位/報酬 4位/奉仕・貢献 7位/社会的認知 9位/専門性 10位/自己成長 10位/良好な対人関係 10位/達成感 11位/自律性 11位。7位はこの1項目だけで、残る10項目は4位までか9位以下に分かれます。
| 項目 | 回答の平均が高い順(左から) | 注 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ④で使った値——調べて突き止める(研究的)・高い順 | インダストリアルデザイナー 4.21 | イラストレーター 3.73 | コピーライター 3.52 | 雑誌編集者 3.51 | 映像編集者 3.44 | Webデザイナー 3.41 | 商業カメラマン 3.30 | グラフィックデザイナー 3.28 | インテリアデザイナー 3.25 | テクニカルライター 3.11 | ファッションデザイナー 3.08 | 広告デザイナー 3.00 | 映像編集者 3.44 との差は 0.03 です。 |
| Webデザイナーの11項目を、この職業の中だけで高い順に並べたもの | 専門性 3.58 | 私生活との両立 3.54 | 達成感 3.49 | 労働安全衛生 3.49 | 自己成長 3.42 | 自律性 3.23 | 良好な対人関係 3.09 | 雇用や生活の安定性 2.86 | 報酬 2.81 | 社会的認知 2.75 | 奉仕・貢献 2.75 | 1位と2位の差は 0.04 です。 | |
順位の数え方:同じ値には同じ順位を与えています。0.01以内の差は同率として数え、それより大きい差だけを順位として読んでいます。 差が 0.05 未満なのは、研究的の 3.44 と 3.41、この職業の中での 3.58 と 3.54 です。
このデータに含まれていないもの:報酬の額・案件の相場・稼働時間・納期・休みの取りやすさ・求人の数・選考の通過率・学び方や独学の可否・クレジットの扱い・企業ごとの違い。「社会的認知」「奉仕・貢献」「労働安全衛生」「私生活との両立」は、いずれも「どれだけ大事にしているか」の値で、実際の評価や勤務の実態ではありません。能力・スキルも測っていないので、「務まるかどうか」もこのデータでは答えられません。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構/当サイトの取得日 2026年8月13日)