「公務員としてやってきたことを、どう説明すればいいのか分からない」 「面談で『公務員の方ですね』と言われて、そこから先に話が進まなかった」 「同じ庁舎にいた同期と、やっていた仕事はまるで違ったのに」
職務経歴書の1行目に「地方公務員」と書いたまま、2行目が書けない。37業界それぞれで職種どうしの開きを比べると、いちばん大きく開くのが公務員(行政)の、人と関わる関心です。
「公務員」の一語では、括れない側にいた人
手順どおりに、崩さず回していくことが苦にならない人。業界の平均では、この関心は37業界で6番目の高さにあります(ただし職種で大きく割れます)。自分の仕事が、誰かの生活の土台になっていることに意味を感じる人。奉仕・社会貢献の重みは、37業界で9番目です。
長く同じ場所で働けることを、それ自体で価値だと思える人。大事にしているものの1位が、そこにあります。
表現を作りたい人や、調べて突き止める比重を求める人は、物足りなさを感じることがあります。表現の関心は37業界の下のほう、調べる関心は真ん中で、どちらも業界の平均に出ている形です。
6職種のうちどこに近いかは、公務員に向いてる人へ。
人と関わる関心の開きは、研究職や金融より大きい
ここで関心と呼ぶのは、何に興味が向いているかの強さです。同じ業界の6つの職種を、人と関わることへの関心で並べます。最も高いのは労働基準監督官、最も低いのは国際公務員です。37業界それぞれで、業界の中でいちばん開く関心の幅を並べると、この幅がいちばん大きく、研究職と金融が続きます。「公務員は人と関わる仕事か」という問いに、業界名では答えが出ません。
手順への関心も、労働基準監督官と社会教育主事で割れる
決まった手順を正確に回すことへの関心は、37業界の中で6番目です。 ところが、この関心も業界の中で上下に開いています。37業界の平均どうしの幅を、はっきり超えます。ここでも最も高いのは労働基準監督官で、最も低いのは社会教育主事です。
雇用や生活の安定性を重く見る度合いは、37業界で2番目
大事にしているものの1位は、雇用や生活の安定性です。重く見る度合いで37業界を並べると、上にいるのは警察・消防・自衛隊だけです。3位は奉仕・社会貢献と自己成長が同じ高さで並び、私生活との両立も上位に入ります。
注意が要るのは2位です。専門性を重く見る度合いは、37業界の中では20番目で、ほぼ真ん中です。
消耗しやすいのは、表現を持ち込みたい人と、調べることを中心にしたい人
① 形の外に出て、自分の表現として何かを作りたい人
表現することへの関心は、37業界の下から8番目です。様式を崩すほうへは、この業界の平均の関心は向いていません。崩すことのほうに価値を置いている人ほど、ずれは大きくなります。
② 「調べて突き止める」比重の高さを求めている人
調べて突き止める関心は、37業界の中では17番目で、真ん中です。職種によって値は分かれますが、人と関わる関心や手順への関心ほどは開きません。
③ 「公務員だったので」という説明のまま、次を探そうとしている人
この業界は、業界名で括ると中身が消えます。 面談で「公務員です」とだけ伝えると、相手はこの業界の平均像を思い浮かべます。その平均像は、6職種のどれとも一致しません。自分がどの側にいたのかを、言葉にしてから面談に行く。それだけで、相手が思い浮かべる像が変わることがあります。
6職種のどれだったかを聞き分けられるか、面談で確かめる
人と関わる関心や手順への関心を分けていたのは、「公務員」の一語ではなく、その下にある6つの職種でした。エージェント選びで見るのも、その一語を分解できる相手かどうかです。求人数の多さや知名度で決まる話ではありません。
| 業界の解像度 | 扱う求人のレンジ | |
|---|---|---|
| 総合型 | 低い | 広いが、業界の外へ流れやすい |
| 特化型(上位帯) | 高い | 上に偏る |
| 特化型(幅広) | 高い | 広い |
この2軸は公的データではなく、運営者自身の転職1回分の経験から立てた見方です(→転職エージェントを使うメリット)。
公務員では、1軸目の中身が他の業界と違います。 見るべきなのは制度の知識量ではありません。人と関わる関心の、業界の中の差が37業界でいちばん大きいので、分けられない相手に当たると、平均像に合わせた求人が並びやすくなります。
面談の最初に「私の職務内容を、公務員という枠を外して説明すると、どういう仕事になりますか」と聞いてみると、言い換えられるかどうかで分かります。
この業界で、いま紹介できるエージェント
この業界に特化した提携先は、いまありません。業界を問わない総合型を1社だけ置いています(上の表でいう「総合型」です)。この記事で見た区別は、面談の最初に自分から伝えてください。
まとめ——「公務員」の一語は、面談の前に6つに割っておく
- 人と関わることへの関心は、業界の中で大きく開く。その開き方は37業界でいちばん大きい
- 手順を回す関心も同じ形。業界としては高いほうだが、業界の中で上下に割れる
- 大事にしているものの1位は雇用や生活の安定性で、重く見る度合いは37業界の2番目
自分がやっていたのは、6つのうちどの側の仕事だったのか。人と関わる関心の開きが37業界でいちばん大きい業界だからこそ、決めた側は、面談の最初にご自身から伝えてください。
次に読むもの
- 公務員に向いてる人——6つの職種で、どこが割れてどこが揃うか
- 公務員は「やめとけ」と言われる理由——言われていることが、どこまで数値と合うか
- 業界別の向き・不向き一覧——37業界を1枚の表で
近い業界(興味の形の近さで、転職しやすさではありません)
最も近いのは法律・会計(弁護士・会計士)と金融で、距離はどちらも同じです。3番目が警察・消防・自衛隊と鉄道・航空・海運で、この2つも同じ近さです。上位2つが、どちらも民間の業界だったところは、見ておいていい点です。興味の形の側から見ると、この業界の隣は役所の外にあります。
公務員(行政)の職業を1つずつ見る
公務員(行政)が出てくる「向き方から探す」のページ
この記事の根拠
並べた数値を見る
数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。
業界平均(向き方)
| 業界 | 現実的 | 研究的 | 芸術的 | 社会的 | 企業的 | 慣習的 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 公務員(行政) | 3.11 | 3.24 | 2.44 | 3.58 | 3.10 | 3.46 |
| 法律・会計(弁護士・会計士) | 2.96 | 3.55 | 2.45 | 3.62 | 3.36 | 3.28 |
| 金融 | 3.06 | 3.42 | 2.34 | 3.59 | 3.42 | 3.19 |
| 警察・消防・自衛隊 | 3.43 | 3.04 | 2.18 | 3.75 | 3.13 | 3.47 |
| 士業 | 2.60 | 3.26 | 2.26 | 3.86 | 3.49 | 3.50 |
| 管理部門(担当) | 3.09 | 2.98 | 2.47 | 3.13 | 3.22 | 3.36 |
| 一般事務・オフィスワーク | 3.02 | 2.69 | 2.48 | 3.35 | 2.92 | 3.40 |
| 教育 | 3.19 | 3.35 | 3.20 | 3.92 | 3.30 | 3.16 |
| 物流・ドライバー | 3.18 | 2.61 | 2.40 | 2.87 | 2.54 | 3.20 |
太字はこの表の中での最小値であって、37業界での最小とは限りません(芸術的 2.18 と 企業的 2.54 と 研究的 2.61 は37業界でも最低、現実的 2.60 も37業界で最低です)。
37業界での位置(公務員(行政)):慣習的 3.46 は6番目(上は 管理部門(課長級)3.58/士業 3.50/鉄道・航空・海運 3.48/警察・消防・自衛隊 3.47/臨床検査・医療技術 3.47)。
研究的 3.24 は17番目。社会的 3.58 も17番目。現実的 3.11 は26番目。企業的 3.10 は18番目(社内SE・美容・理容と同値)。芸術的 2.44 は下から8番目(農林水産と同値。下は 警察・消防・自衛隊 2.18/士業 2.26/ビルメンテナンス・施設管理 2.30/管理部門(課長級)2.32/金融 2.34/物流・ドライバー 2.40/鉄道・航空・海運 2.43)。
仕事価値観(11項目・公務員(行政))
| 項目 | 値 | 37業界での位置 |
|---|---|---|
| 雇用や生活の安定性 | 3.80 | 2番目 |
| 専門性 | 3.65 | 20番目 |
| 奉仕・社会貢献 | 3.50 | 9番目 |
| 自己成長 | 3.49 | 18番目 |
| 私生活との両立 | 3.41 | 5番目(農林水産と同値) |
| 自律性 | 3.36 | 21番目 |
| 労働安全衛生 | 3.32 | 15番目 |
| 達成感 | 3.30 | 26番目 |
| 社会的認知 | 3.23 | 7番目(警察・消防・自衛隊と同値) |
| 良好な対人関係 | 3.16 | 29番目 |
| 報酬 | 3.00 | 15番目 |
雇用や生活の安定性で上にいるのは1業界だけ:警察・消防・自衛隊 4.09。下に続くのは 医師・歯科医師 3.69/金融 3.62/研究職 3.59 です。
業界内の幅:公務員(行政)の中で最も開くのは、人と関わることへの向き方の 1.92(労働基準監督官 4.74 ←→ 国際公務員 2.82)。37業界それぞれの「業界の中で最も開いた領域の幅」を並べると、これが1位です(2位は 研究職 1.83、3位は 金融 1.79、4位は 教育 1.69、5位は 美容・理容 1.61)。
次に開くのは 決まった手順を回す向き方の 1.43(労働基準監督官 4.32 ←→ 社会教育主事 2.89)、その次が 調べて突き止める向き方の 1.40(労働基準監督官 4.26 ←→ 地方公務員(行政事務)2.86)。職種ごとの内訳は 公務員に向いてる人 にあります。
比較に使った37業界の幅:人と関わることは リハビリ・治療 4.20 ←→ 組立・生産ライン 2.65 で 1.55。決まった手順を回すことは 管理部門(課長級)3.58 ←→ コンサル 2.69 で 0.89。
業界間の距離:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方を測ったものです。小さいほど近い値です。公務員(行政)は 法律・会計(弁護士・会計士)0.469、金融 0.469、警察・消防・自衛隊 0.490、鉄道・航空・海運 0.490。
公務員(行政)に含めた職業:国家公務員(行政事務)/地方公務員(行政事務)/税務事務官/国際公務員/社会教育主事/労働基準監督官の6職業の平均です。
警察官・消防官・自衛官・刑務官・海上保安官・麻薬取締官は、警察・消防・自衛隊のほうに入っていて、こちらの平均には含めていません。
このデータに含まれていないもの:年収・労働時間・求人数・採用試験の内容や難易度・倍率・職階や役職・異動や配属の仕組み・退職金や年金の制度。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)