トラック運転手の「やめとけ」、手順を回す向きは37業界の中位以上——営業並み

中身を先に(6項目)

「拘束が長い割に、手取りが少ないと言われた」 「自動運転が来たら終わりだ、と何度も見た」 「潰しが効かないから、若いうちに出ろと言われた」

募集を見比べても、決められない。数字で分けられるものと分けられないものを、先に切り分けます。


「ドライバーはやめとけ」の中身は、だいたい5つです

#言われていることこのデータで見えること
①拘束が長い割に手取りが少ない求人票で確かめる
②自動運転で無くなるこれは、この先の話です
③誰でもできる仕事だ半分だけ言える
④工夫の余地がない向き方なら言える
⑤潰しが効かない近い業界なら挙げられる。ただし、近いのは同じ側の業界

向き(向き方)は、いまその仕事をしている人の興味が向く方向を測ったものです。手順を回す・調べて突き止める・人を動かすなど、6つあります。①の手取りは求人票で確かめるほかなく、②の自動運転はこの先の話です。

③ 「誰でもできる仕事だ」——手順を回す向きは営業と同水準

物流・ドライバーの「決まった手順を正確に回すことへの向き方」は、37業界の中では中位以上で、営業と同水準です。倉庫作業員にいたっては、管理部門の担当と並びます。「正確に回すこと」に重みが置かれている仕事です。 誰でもできるという言い方が落としているのは、その部分だと思います。

こういう言い換えなら合っています。「決まっていないことを自分で決める」場面は少ない。

④ 「工夫の余地がない」——調べる向きは37業界の最低

調べて突き止めることへの向き方は、比較した37業界の中で最低です。ただ、どの業態かで振れ幅がまったく違うようです。

面談で確かめてください。「同じ荷物・同じ順番で回る日は、月にどれくらいありますか」。答えが「ほぼ毎日」なら固定、「毎回違う」なら都度判断が要る現場です。

もう1つ、人を説得し動かす向き方も同じく最低です。成果を売り込んで評価を上げる形は、この業界の人たちの関心の中心にありません。仕事に求めるもの11項目のうち、9項目でこの業界が37業界の最低です。この11項目は、何をどれだけ重視しているかの数値です。 実際に返ってくるものの量は、また別の話です。

「成果を出して上がりたい」が動機なら、ここも当たります。人間関係の消耗から離れたくてここを選ぶのなら、その選び方はデータの向きと合っています。

⑤ 「潰しが効かない」——向きが近いのは製造技能と組立

物流・ドライバーにいちばん近いのは製造技能(金属加工)で、組立・生産ラインもほとんど並びます。近いところにある業界は、どれも、手を動かしながら決まった手順を確実に回す側にあります。売り込みも、調べて突き止めることも、中心には来ない。いま合っている理由が、そのまま同じ形で並んでいます。

そこから外へ出ようとすると、近さの順番が変わります。事務・管理系の代表として管理部門(担当)を置くと、いちばん近い隣より外側に来ます。「潰しが効かない」は、こう言い直したほうが実態に近い。 同じ側にとどまるなら向き方が重なり、反対側へ出ると重ならない。

ここでの近さは、向き方の近さのほうです。実際に移れるかは、求人と経験しだいで、このデータの外です。


トラック運転手と倉庫作業員は、ほとんど同じ形

この業界にあるのは、トラック運転手と倉庫作業員の2つです。 並べていちばん差が出たのは「自分のやり方で進められること」で、そこはトラック運転手のほうが高い。反対に、決まった手順を正確に回す向き方と私生活との両立は、倉庫作業員のほうが高く出ます。それでも、ほかの業界と比べれば2つの開きは小さいほうです。

他の業界なら、職種を変えると向き方の値も大きく変わります。医療・介護やIT・エンジニアで職種を変えたときの開きは、この3倍前後です。向き方の違う仕事を探すなら、この2つの外を見ることになるかもしれません。


「やめとけ」が当たる人と、当たらない人

  • 工夫や改善の余地を求める人
  • 成果を示して上がっていきたい人
  • 人と話すことで元気が出る人。人と関わる向き方は37業界で下から4番目です
  • 数年で「反対側」へ移るつもりの人

反対側へ出るつもりが無いのなら、この5つは当たりません。

  • 人と話すより、黙々と一人で進めるほうが落ち着く人
  • いつものルートを、手順どおりに運び切ることに手応えを感じる人
  • 言われたことを正確にこなすのが評価につながるほうが、気が楽な人

まとめ——同じ側にとどまるか、反対側へ出るか

  • 「誰でもできる」は、半分だけ言える。決まった手順を正確に回す向き方は中位以上で、正確さに重みが置かれている
  • 「工夫の余地がない」は、向き方なら言える。調べて突き止める向き方は37業界の最低で、仕事に求めるもの11項目のうち9項目でも最低
  • 「潰しが効かない」は、近い業界なら挙げられる。ただし、近いのは製造技能・組立など同じ側の業界ばかりで、業界内で職種を変えても差はわずか。移れるかどうかは求人と経験しだいで、このデータの外

募集を見比べる前に、同じ側にとどまりたいのか、反対側へ出たいのかだけ決めておく。「やめとけ」が当たっているかどうかは、そこが決まってから見直せば十分です。

そこに答えが出たら、物流・ドライバーの転職エージェントの選び方へ。


関連ページ


物流・ドライバーの職業を1つずつ見る

物流・ドライバーが出てくる「向き方から探す」のページ

この記事の根拠

判定の元になった数値

このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
物流・ドライバー3.182.612.402.872.543.20
製造技能(金属加工)3.322.992.472.742.673.07
組立・生産ライン3.522.832.452.652.643.07
化学・素材・日用品製造3.443.032.822.822.853.11
管理部門(担当)3.092.982.473.133.223.36
社内SE3.473.312.603.223.103.19
営業3.022.972.583.843.573.20
メーカー技術職3.613.542.553.043.083.01
医療・介護・保育3.072.942.594.112.933.18
リハビリ・治療3.313.522.694.203.073.12
管理部門(課長級)3.253.122.323.733.783.58

物流・ドライバーの職業別

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
トラック運転手3.322.602.353.002.513.03
倉庫作業員3.042.612.442.742.563.37

37業界での位置:人を説得し動かす向き方 2.54 と、調べて突き止める向き方 2.61 の2つで、物流・ドライバーが最低です。人と関わる向き方 2.87 は下から4番目(下から順に 組立・生産ライン 2.65/製造技能(金属加工)2.74/化学・素材・日用品製造 2.82/物流・ドライバー 2.87)。最も高いのはリハビリ・治療 4.20 です。

仕事価値観11項目:物流・ドライバーは11項目のうち9項目で37業界の最低でした。最低にならなかった2項目は、私生活との両立(最低は警察・消防・自衛隊 2.82)と雇用の安定(最低はクリエイティブ 2.66)です。

近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。

組み合わせ離れ方
金融 ↔ 法律・会計(弁護士・会計士)0.227(37業界で最も近い)
IT・エンジニア ↔ メーカー技術職0.326
物流・ドライバー ↔ 製造技能(金属加工)0.469(物流の最近傍)
管理部門(担当)↔ 一般事務・オフィスワーク0.479
物流・ドライバー ↔ 組立・生産ライン0.492
物流・ドライバー ↔ 管理部門(担当)0.840
物流・ドライバー ↔ 社内SE1.025

2職業の比較(4項目)。仕事価値観11項目からは、この業界の上位3項目のうち2つ——自律性はトラック運転手 3.12/倉庫作業員 2.61、私生活との両立は 2.71/3.11(業界の上位3は 私生活 2.91/自律性 2.87/対人関係 2.86)。向き方から2つ——人と関わる向き方は 3.00/2.74、決まった手順を正確に回す向き方は 3.03/3.37。いちばん差が大きいのは自律性です。

このデータに含まれていないもの:年収・拘束時間・自動運転による将来の需要・求人数。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)