コンサルの「やめとけ」、「どれも同じ」は4職種で割れる——調べる向きは人事が最低

中身を先に(5項目)

「激務で潰れる、と何度も書いてある」 「専門性がつかない、という言葉が引っかかっている」 「入ったら事業会社に戻れなくなるのではないか」

年収の話と激務の話ばかりで、自分に当てはまるのか判断できなかった。そこで手が止まる人が多いように思うので、中身を5つに割って、1つずつ見ていきます。


「コンサルはやめとけ」の中身は、だいたい5つです

#言われていることこのデータで見えること
①激務で潰れる求人票で確かめる
②頭が良くないと無理向きなら比べられる
③手に職がつかない手を動かす向き方なら言える
④事業会社に戻れなくなる手順を回す向き方の側からは、半分だけ言える
⑤どのコンサルも同じ4職種で割れます

この表の「向き(向き方)」とは、その仕事をしている人の興味がどちらへ向いているかです。調べる・手を動かす・手順を回す、といった方向を数値にしています。①の激務は求人票で確かめてください。

② 「頭が良くないと無理」——4職種のうち1つで、前提が崩れます

頭の良さは測っていません。調べて突き止めることへの向き方は、4職種で大きく割れます。その開きは、37業界の平均どうしで同じ向き方を並べたときの開きの、6割近くになります。

  • ITコンサルタント — 4職種で最も高い
  • 経営コンサルタント — ほぼ並ぶ
  • M&Aアドバイザー — ひとつ下の帯
  • 人事コンサルタント — 4職種で最も低い

人事コンサルタントは手を動かす向き方も4職種で最も低く、分析でも実装でもない位置にいます。それでいて満足の1位は「自律性」です。「分析力がコンサルの本体」という前提が、この1職種で崩れます。

③ 「手に職がつかない」——モノは残らず、満足の上位に専門性

コンサルの「手を動かして形にすることへの向き方」は、37業界の中で下から3番目です。成果物は資料と意思決定で、モノとしては何も残りません。手を動かして形が残ることに満足を感じる人にとって、これは構造的な不足です。 年数を重ねても埋まらないと思います。

ただ、専門性を重く見ていない、という意味ではありません。満足の上位3には4職種すべてで「専門性」が入っています。手に取れる形で残るかどうかは、また別の話です。

④ 「事業会社に戻れなくなる」——落差は戻り先の向きで変わる

コンサルの「決まった手順を正確に回すことへの向き方」は、37業界の中で最も低い。戻る先の多くは、ここが高い組織です。

  • 管理部門(課長級)
  • 士業
  • 管理部門(担当)
  • 営業

いちばん上にいる管理部門(課長級)とは、端から端まで離れています。「枠が無いところで決める」側から「枠を守らせる」側へ移るなら、ここがいちばん開いているところです。

戻り先の選び方で変わる部分もあります。決まった手順を回す向き方が低い側(マーケティングやIT・エンジニア)なら、落差は小さくなります。

⑤ 「どのコンサルも同じ」——4職種で割れます

人を説得し動かす向き方も、経営コンサルタントと人事コンサルタントで割れます。満足の中心も、1職種だけ違います。 経営・IT・人事は「自律性」が上位3に入りますが、M&Aアドバイザーだけは入らず、こちらは専門性・達成感・自己成長の並びです。

M&Aは、案件が成立したかどうかで区切りがつく仕事なので、終わりが見えない状態が苦手なら、ここが選択肢になるかもしれません。


「やめとけ」が当たる人と、当たらない人

  • 型が決まっている場所のほうが、力の出る人。手順を回す向き方の低さは、職種を変えても埋まりません
  • 手を動かした結果が、形として残らないと落ち着かない人
  • 正しい答えを出したら終わり、と考える人。相手が動くところまでが範囲です

この5つが当たらないのは、コンサルを4職種に割って見ている人のほうです。

  • やり方が決まっていない場所のほうが、動きやすい人
  • どう進めるかを、自分で決めたい人
  • 答えを出したあと、相手が本当に動いたかが気になる人

まとめ——枠が無い場所で決める側か、守らせる側か

  • 「どのコンサルも同じ」は、4職種で割れる。調べる向き方は人事コンサルタントが4職種で最も低く、M&Aアドバイザーだけ自律性が満足の上位3に入らない
  • 「手に職がつかない」——手を動かす向き方は37業界で下から3番目。満足の上位3には、4職種すべてで専門性が入る
  • 「事業会社に戻れない」は、手順を回す向き方の側からは半分だけ言える。この向き方は37業界の最低で、戻り先も低い側なら落差は小さい

枠が無い状態で、自分で決められるかどうか。「やめとけ」が正しいかどうかより、先に答えを出すのはそちらです。

そこに答えが出たら、コンサルの転職エージェントの選び方へ。


関連ページ


この記事の根拠

判定の元になった数値

このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
コンサル2.893.192.653.493.632.69
士業2.603.262.263.863.493.50
管理部門(課長級)3.253.122.323.733.783.58
管理部門(担当)3.092.982.473.133.223.36
営業3.022.972.583.843.573.20
マーケティング3.073.433.223.443.593.09
IT・エンジニア3.453.422.753.153.172.93

コンサルの職業別

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
ITコンサルタント3.223.552.713.553.732.88
経営コンサルタント2.983.512.743.723.892.72
M&Aアドバイザー2.883.042.713.333.672.46
人事コンサルタント2.472.662.453.343.252.68

仕事価値観(上位3項目):経営は専門性4.13/達成感4.06/自律性4.00、ITは自己成長3.93/専門性3.89/自律性3.86、人事は自律性3.88/専門性3.77/自己成長3.73、M&Aは専門性3.42/達成感3.39/自己成長3.36。自律性が上位3に入るのは4職種中3職種で、M&Aだけ入りません。

37業界での順位:手を動かす向き方 2.89 は下から3番目(下にいるのは士業 2.60 と福祉・相談支援 2.87)。決まった手順を回す向き方 2.69 は最低です。

業界間の幅との比較:37業界の平均を並べたとき、調べて突き止める向き方の幅は 1.53(研究職 4.14 ←→ 物流・ドライバー 2.61)。コンサル4職種の同じ向き方の幅 0.89 は、その6割近く(58%)です。なお、決まった手順を回す向き方の37業界の幅は 0.89(管理部門(課長級)3.58 ←→ コンサル 2.69)で、6つの向き方の中で最も小さい幅です。

このデータに含まれていないもの:労働時間・年収・離職率・選考通過率。

近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)