管理職になりたくない、「板挟み」は向きなら当たる——動かすも守るも37業界で最高

中身を先に(5項目)

「管理職になると、残業代が出なくなって割に合わない」 「上と下の板挟みで消耗するだけだと言われた」 「一度なったら、もうプレイヤーには戻れない」

「管理職になりたくない」と検索して出てくるのは、なぜ増えているかという話ばかりです。自分が受けるかどうかの材料には、ならないと思います。昇進の話が出たまま返事を保留している人に向けて、言われている5つを分けて見ていきます。


「管理職はやめとけ」の中身は、だいたい5つです

#言われていることこのデータで見えること
①割に合わない(残業代が出ない)求人票で確かめる
②プレイングマネージャーで潰れる働いている人に聞く
③上と下の板挟みになる向き方なら言える
④自分の手応えが無くなる向き方なら言える
⑤もう転職できなくなる近い業界なら挙げられる

「向き(向き方)」の数値は、その仕事をしている人に興味の方向を聞いた結果です。人を動かす・手順を回す・表現するなど、6つに分かれます。①の残業代は求人票で確かめる話で、②のプレイングマネージャーは実際に働いている人に聞くところです。

③ 「上と下の板挟みになる」——動かすも守るも37業界で最高

管理部門の課長級は、2つの向き方で37業界の最高値を取っています。

  • 人を説得し動かすことへの向き方 — コンサルや営業より上
  • 決まった手順を正確に回すことへの向き方

この2つを同時に最高値で持っている業界は、ほかにありません。しかも、この2つは互いを削り合います。前例のないことを通そうとすれば守るべき型のどれかに触るし、型を一切崩さずに回そうとすれば、通せる案が減ります。上司や部下の話の前に、この業界の数値がこの形をしています。 「やめとけ」と言われるとき指されているのは、たぶんここだと思います。

④ 「自分の手応えが無くなる」——表現する向きは下から4番目

この職務で出るのは、常に、誰かが動いた結果です。自分の手で出したもので評価されてきた人ほど、ここで足場を失うかもしれません。

  • 表現することへの向き方 — 37業界で下から4番目。様式と前例が決まっていて、見せ方で差を出す余地は、ごく限られます
  • 調べて突き止めることへの向き方 — マーケティングやIT・エンジニアより低い。掘り下げるより、決めることが評価されます

そこでプレイヤーに戻るのは、求められる向き方が違う職務から、合う場所へ移ることに近い。

⑤ 「もう転職できなくなる」——向きが近いのは営業、次が金融

管理部門(課長級)にいちばん近いのは営業です。次が金融です。実際に移れるかは、求人と経験しだいで、このデータの外です。

人と関わる向き方は、営業と同じく37業界の上のほうにあります。人を動かす向き方は課長級のほうが上で、37業界ではここが最高です。「人を動かす向き方」が上位に来るのは、管理職・コンサル・マーケティング・営業・士業、その次にマスコミ・放送・出版と金融が並びます。

決まった手順を回す向き方は、管理部門の課長級が37業界の最高です。 営業ではこれより下がり、コンサルでは37業界の最低になります。

同じ管理職でも、場所で変わります。課長級3職種で人と関わる向き方がいちばん高いのは人事課長、いちばん低いのは経理課長です。「人を動かすのが向いていない」なら、経理課長の型が近い。


「やめとけ」が当たる人と、当たらない人

  • 自分の手で成果を出したい人
  • 動かすことと守らせることの、どちらか一方だけを持ちたい人
  • 自分の見せ方を作りたい人
  • 調べて突き止めたい気持ちが、動機の中心にある人

この5つが当たらないのは、動かす側と守らせる側を同時に引き受けられる人です。

  • 動いたのは他の人でも、進んだ結果を自分の成果だと思える人
  • 型を崩さずに回す側に立つことも、苦にならない人

まとめ——逆方向の2つを、同時に持つ仕事

  • 「板挟み」は向きなら当たる。人を動かす向き方と手順を守る向き方が、どちらも37業界の最高。この2つを同時に最高で持つのは、37業界でここだけ
  • 「手応えが無くなる」も向きなら言える。表現する向き方も、調べて突き止める向き方も、中心には来ない
  • 「転職できなくなる」は、近い業界なら挙げられる。営業と金融が隣にあり、同じ管理職でも職種によって大きく割れる。実際に移れるかは求人と経験しだいで、このデータの外

逆方向の2つを同時に持てるか。この一点に答えが出れば、「やめとけ」が正しいかどうかのほうは、自然と決まります。

そこに答えが出たら、管理職の転職エージェントの選び方へ。


関連ページ


管理部門(課長級)が出てくる「向き方から探す」のページ

この記事の根拠

判定の元になった数値

このデータが測っているのは、その仕事をしている人の興味の向きと仕事で大事にしたいことです。年収・労働時間・年齢・求人の数は測っていません(→このサイトのデータについて)。

数値が高いほど、その方向への興味が強いことを示します。

業界平均(向き方)

業界現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
管理部門(課長級)3.253.122.323.733.783.58
コンサル2.893.192.653.493.632.69
マーケティング3.073.433.223.443.593.09
営業3.022.972.583.843.573.20
士業2.603.262.263.863.493.50
金融3.063.422.343.593.423.19
管理部門(担当)3.092.982.473.133.223.36
IT・エンジニア3.453.422.753.153.172.93
警察・消防・自衛隊3.433.042.183.753.133.47
ビルメンテナンス・施設管理3.372.812.303.302.823.37

管理部門(課長級)の職業別

職業現実的研究的芸術的社会的企業的慣習的
人事課長3.153.272.464.124.043.27
総務課長3.733.092.333.974.003.76
経理課長2.863.002.173.103.313.72

37業界での位置:人を説得し動かす向き方 3.78 と、決まった手順を正確に回す向き方 3.58 は、どちらも37業界の最高値です。表現することへの向き方 2.32 は下から4番目(下から順に 警察・消防・自衛隊 2.18/士業 2.26/ビルメンテナンス・施設管理 2.30/管理部門(課長級)2.32)。

課長級3職種の中の幅:人と関わる向き方は 人事課長 4.12 ↔ 経理課長 3.10 で 1.02。37業界の平均どうしの幅 1.55 の3分の2にあたります。

近い業界の出し方:上の表の6つの向き方を業界どうしで見比べ、離れ方が小さい順に並べたものです。管理部門(課長級)に最も近いのが営業、次が金融でした。

このデータに含まれていないもの:年収・管理職手当・労働時間・プレイング比率・ポスト数。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)