測量士の「やめとけ」、「測っていればいい」が逆——人を動かす向きは20職業で2位

いまこの仕事をしている人に「自分の仕事をどう見ているか」を聞いた調査(厚生労働省 job tag)の数値で見ます。このサイトのデータについて

この記事の内容(8項目)

「資格が難しい割に、報われない」と言われる。

「測るだけの単純作業だ」とも書いてある。

機械と3Dが進めば要らなくなる、という話も出てくる。

読み終えても、自分に当てはまるのかが分かりません。

言われている中身は、5つに分かれます。


興味の向き——建設技能・職人の20職業の中では、決まった手順を正確に回すが1位

手を動かす
11位(同率2)
調べて突き止める
2位
表現する
11位(同率3)
人と関わる
7位(同率2)
人を動かす
2位
決まった手順を正確に回す
1位

これは同じ業界の職業の中での順位です。ごくわずかな差は同率として数えています。

満足の置きどころ——いちばん高いのは専門性

1位
専門性
2位
達成感
3位
自己成長

これは、その職業に就いている人が何を大事にしているかです。

「測量士はやめとけ」の中身——手順の側と、調べる側。両方に立つのは20職業で1つでした

決まった手順どおりに進めること自体は苦にならない、という人は、この職業の並びと同じ側にいます。ただし、その先で数字の裏づけまで見たくなる人でなければ、退屈のほうが先に来ます。

人と話す量を減らしたくてこの職業を見ている人は、いちばん最初のところでずれます。体を使うことが目的の人にも、同じ業界にもっと上の側があります。

#言われていることこのデータで見えること
資格が難しい割に、報われない公表資料で確かめる
測るだけ。同じ作業の繰り返しだ同じ業界の20職業の中では逆に出ます
機械と3Dが進めば、要らなくなるこれは、この先の話です
建設の現場だから、体力勝負だ向き方なら言える
人と話すのが苦手でも、測っていればいい同じ業界の20職業の中では逆に出ます

比べている相手は、建設技能・職人に分類した20の職業です。大工・とび・配管工のような現場の職業から、CADオペレーター・造園工まで。

① 資格が難しい割に報われない——報酬も、難易度も、公表資料で確かめる話です

試験の難しさや合格率は公表資料に、収入は求人票の給与の帯に出てきます。

報酬をどれだけ大事にしているかも、私生活との両立も、20職業の中では下側でした。

一方、雇用や生活の安定性だけが上側に出ます。

いずれも「どれだけ大事にしているか」の値です。

待遇の見返りを軸の上位に置く人は、この職業の置きどころとずれます。

② 測るだけの繰り返し——半分は当たり、半分は逆を向きます

手順の側と、調べる側の両方が上位に来る職業は、この20職業の中では測量士だけでした。

決まった手順を正確に回す向き方は、20職業の中で最も高く出ています。「手順が決まっている」という部分は、この並びと同じ向きです。

ところが、調べて突き止める向き方も上から2番目に来ます。上にいるのは造園工だけです。

「同じ作業の繰り返しで、頭は使わない」という言い方は、後半が並びと合いません。

③ 機械と3Dで要らなくなる——将来の需要は、この先の話です

測る道具の移り変わりも、仕事量の見通しも、この先の話です。

確かめる先は、この並びではなく、勤め先が何をどこまで機械に任せているかのほうです。

④ 建設の現場だから体力勝負——20職業の中では、ちょうど真ん中あたりです

体力も、屋外にいる時間も、天候の影響も、働いている人に聞く話です。

手を動かして形にする向き方は、20職業の中でちょうど真ん中あたりに来ます。大工・造園工・建築板金はこれより上、CADオペレーターやとびは下です。

安全に働けることを大事にする度合いも上側で、下端の防水工や造園工とは離れています。

⑤ 人と話すのが苦手でも務まる——20職業を並べると、逆になります

人を説得し、動かす向き方は、20職業の中で上から2番目です。最も高い大工とは、わずかな差しかありません。

人と関わる向き方も上側に来ます。「一人で測っていればいい」を20職業に当てはめると、測量士は逆の側に出ます。

最も低いのはCADオペレーターで、同じ図面と数字の側にいても、この点でははっきり分かれます。

同じ図面と数字を扱うもう一方の位置は、CADオペレーターの「やめとけ」にあります。


まとめ

  • 「報われない」は、金額も難易度も公表資料と求人票で確かめる。 言えるのは、報酬と私生活との両立はどちらも下側、雇用や生活の安定性だけが上側という置きどころ
  • 「測るだけの繰り返し」は、半分が逆を向く。 手順を回す向き方は20職業で最も高いが、調べて突き止める向き方も上から2番目
  • 「機械が進めば要らなくなる」は、この先の話。 確かめる先は、勤め先が何をどこまで機械に任せているか
  • 「体力勝負」は、向き方なら言える。 手を動かして形にする向き方は、20職業のちょうど真ん中あたり
  • 「人と話すのが苦手でも務まる」は、逆に出る。 人を説得し動かす向き方は上から2番目で、人と関わる向き方も上側

5つは、それぞれ別の場所を指しています。測量士が20職業の中で立っているのは、体力の側でも、一人でこもる側でもなく、手順と数字を人に渡す側です。

決めるべきなのは、この資格が報われるかどうかではありません。手順と数字を人に渡す場面に、毎回自分から立てるかどうかです。

その場面がどれくらいある職場なのかを面談でどう聞くかは、建設技能・職人の転職エージェントの選び方へ。


この記事の根拠

数値の内訳をひらく

使った値をここに置きます。

比べている相手:建設技能・職人に分類した20職業(測量士・CADオペレーター・大工・型枠大工・鉄筋工・鉄骨工・とび・建設機械オペレーター・建設土木作業員・左官・建築板金・サッシ取付・内装工・建築塗装工・防水工・電気工事士・配管工・送電線工事・解体工・造園工)。本文の順位は、すべてこの20職業の中のものです。

決まった手順を正確に回す(慣習的)・高い順測量士 3.65 / 大工 3.42 / 鉄筋工 3.35 / CADオペレーター 3.32 / サッシ取付 3.31 / 型枠大工 3.28 / 鉄骨工 3.26 / 建築板金 3.26 / 造園工 3.25 / 電気工事士 3.24 / 送電線工事 3.23 / 左官 3.16 / 建築塗装工 3.15 / 建設・土木作業員 3.10 / 防水工 3.09 / とび 3.07 / 内装工 3.06 / 解体工 2.98 / 配管工 2.91 / 建設機械オペレーター 2.83

調べて突き止める(研究的)・高い順:造園工 3.45 / 測量士 3.40 / CADオペレーター 3.22 / 大工 3.18 / 鉄筋工 3.13 / 建築板金 3.03 / 建築塗装工 3.03 / 左官 3.02 / 鉄骨工 2.98 / 配管工 2.97 / サッシ取付 2.94 / 建設機械オペレーター 2.92 / 防水工 2.92 / 電気工事士 2.91 / 型枠大工 2.88 / 送電線工事 2.83 / 建設・土木作業員 2.78 / 内装工 2.75 / とび 2.63 / 解体工 2.61

手順の側と調べる側、両方が上位に来る職業:慣習的の上位3は測量士・大工・鉄筋工、研究的の上位3は造園工・測量士・CADオペレーター。両方に入るのは測量士だけです(大工は研究的で4番目、造園工は慣習的で9番目)。

人を説得し、動かす(企業的)・上から6つ:大工 3.16 / 測量士 3.14 / 建築板金 3.06 / 造園工 3.03 / CADオペレーター 2.99 / 建築塗装工 2.97(最も低いのは内装工 2.65)。

人と関わる(社会的)・上から8つ:造園工 3.70 / 大工 3.52 / 建設・土木作業員 3.41 / サッシ取付 3.37 / 送電線工事 3.35 / 電気工事士 3.33 / 測量士 3.29 / 配管工 3.28(最も低いのはCADオペレーター 2.84)。配管工とは 0.01 差で並びます。

手を動かして形にする(現実的):測量士 3.75 は上から11番目です。すぐ上の送電線工事 3.77 とは 0.02、すぐ下の鉄骨工 3.74 とは 0.01 の差です(最も高いのは大工 4.21、次が造園工 4.01、3番目が建築板金 3.97。最も低いのはとび 3.41、CADオペレーターは 3.43)。

報酬を大事にする度合い・下から8つ:鉄骨工 2.48 / 防水工 2.51 / 造園工 2.62 / 建設・土木作業員 2.65 / サッシ取付 2.67 / 鉄筋工 2.69 / 測量士 2.72 / 型枠大工 2.76(最も高いのは送電線工事 3.32)。

私生活との両立を大事にする度合い・下から7つ:防水工 2.73 / 鉄骨工 2.79 / 解体工 2.87 / 建設・土木作業員 2.92 / とび 2.93 / 測量士 2.95 / 配管工 3.00(最も高いのは大工 3.51)。

雇用や生活の安定性を大事にする度合い・上から7つ:送電線工事 3.68 / 配管工 3.10 / CADオペレーター 3.05 / 電気工事士 3.04 / 建設機械オペレーター 3.03 / 測量士 2.98 / 建築塗装工 2.95(最も低いのは建設・土木作業員 2.54)。

労働安全衛生を大事にする度合い:測量士 3.07 は上から7番目です(最も高いのはCADオペレーター 3.48、最も低いのは防水工 2.44、造園工は 2.72)。

そのほかの測量士の値:表現する 2.79(20職業の中位)/専門性 3.61 と自己成長 3.49 は中ほどより上、社会的認知 2.79 は下側です。

順位の数え方:同じ値には同じ順位を与えています。0.01以内の差は同率として数え、それより大きい差だけを順位として読んでいます。

このデータに含まれていないもの:年収・資格試験の難易度や合格率・労働時間・休日数・屋外にいる時間・天候による稼働の変動・測量機器や3D計測の普及・これからの仕事量・求人の数・年齢構成。「報酬」「私生活との両立」「雇用や生活の安定性」「労働安全衛生」は、いずれも「どれだけ大事にしているか」の値で、実際の待遇や勤務の実態ではありません。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)