「給料が安い、と書いてある」 「何をしている仕事なのか、名前すら知られていないとも言われた」 「検査室にこもるだけの仕事だ、という言い方もある」
知られていないことと、仕事の中身の話が続いていない。
言われている中身は、5つに分かれます。
6領域——リハビリ・治療の6職業の中では、手を動かすが2位
- 手を動かす
- 3.612位
- 調べて突き止める
- 3.385位
- 表現する
- 2.056位
- 人と関わる
- 4.232位(同率2)
- 人を動かす
- 2.706位
- 決まった手順を正確に回す
- 3.332位
順位はリハビリ・治療に収録された6職業の中での順位です。37業界の業界平均の順位ではありません。0.01以内の差は同率として数えています。
満足の置きどころ——11項目のうち、専門性が1位
- 1位
- 専門性 4.02
- 2位
- 労働安全 3.71
- 3位
- 自己成長 3.71
- 3位(同率)
- 対人関係 3.70
11項目は、その職業に就いている人が何を大事にしているかです。何に満足しているかを測ったものではありません。給与・雇用・労働時間・安全そのものの数値でもありません。0.01以内の差は同率として数えています。
同じところに満足を置く職業を、業界をまたいで見る:手に職をつけたい人に向いてる仕事
「視能訓練士はやめとけ」の中身——「検査室にこもるだけ」だけが、並びと逆でした
| # | 言われていること | 判定 |
|---|---|---|
| ① | 給料が安い | 答えられない |
| ② | 名前も知られていない、地味な仕事だ | 向き方なら言える |
| ③ | 検査室にこもるだけで、動きの少ない仕事だ | 同じ業界の6職業の中では逆に出ます |
| ④ | 独立も開業もできず、行き止まりだ | 向き方なら言える |
| ⑤ | 作業療法士の下位版のような資格だ | 違う |
比べている相手は、リハビリ・治療に分類した6つの職業です。視能訓練士・作業療法士・言語聴覚士・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師・はり師きゅう師の6つを、同じ物差しで横に並べています。
① 給料が安い——金額は、このデータに入っていません
給与も、賞与も、昇給の仕方も、このデータには入っていません。だから、この言い分には答えられません。
答えられるのは、報酬をどれだけ大事にしているかの位置だけです。6職業の中では上側で、下に続く2職業とはほとんど並びます。
報酬・雇用や生活の安定性・労働安全・私生活との両立は、いずれも「どれだけ大事にしているか」の値です。実際の金額も、勤務の実態も、このデータは測っていません。
高い・安いを、この数字から読むことはできません。読めるのは、重く見ている度合いの順番までです。
② 名前も知られていない、地味な仕事だ——同じ「人」の話が、2つに割れます
知名度そのものは、測っていません。答えられるのは、置きどころの並びだけです。
外からどう見られるかを大事にしている度合いは、6職業の中では下側。人の役に立つことを大事にしている度合いは、6職業の中で最も低く出ています。外から返ってくるものを燃料にしたい人にとって、この並びは追い風になりません。
一方で、良好な対人関係を大事にしている度合いは、6職業の中で柔道整復師に次いで上側でした。
外に向かって認められることは下、目の前の相手との関係は上。地味かどうかではなく、そういう形だということです。
③ 検査室にこもるだけで、動きの少ない仕事だ——並びは、反対側に出ます
手を動かして形にする向き方は、6職業の中で作業療法士に次ぐ位置に出ています。この言い分は、6職業を並べると裏返ります。
決まった手順を正確に回す向き方も、6職業の中で柔道整復師に次ぐ位置にあります。手を動かす側と、手順を守る側。この6職業で、両方の上位2つに名前が出るのは視能訓練士だけです。
ただし、実際に身体をどれだけ動かすかは測っていません。測っているのは、そちらへ関心が向いているかどうかです。
手順に沿って、そのうえで手を動かしたい人。この形と近いのは、そういう人になります。
④ 独立も開業もできず、行き止まりだ——2つの向きが、逆に組み合わさっています
開業できるかどうかは、制度の話です。このデータには入っていません。
並べられるのは、何を重く見ているかの位置です。自分の裁量で決められることを大事にしている度合いは、6職業の中で下から2番目でした。
一方、雇用や生活の安定性と労働安全は、どちらも6職業の上位2つ。私生活との両立は、柔道整復師と並んで上端です。
裁量の側が下で、続けやすさの側が上。 この向きの組み合わせが、この職業の並びです。
自分で決められないことを行き止まりだと感じる人には、周りの動機の並びが噛み合いません。逆に、決める役目を負わずに続けられることを条件にしたい人には、噛み合う側になります。
ただし「実際に続けられるか」は、このデータでは分かりません。
⑤ 作業療法士の下位版のような資格だ——興味の向きと置きどころで、上下が入れ替わります
6つの領域だけを見ると、作業療法士のほうが広く出ます。表現する向き方と、人を説得し動かす向き方で、大きく離されるからです。人と関わる向き方は、このサイトの数え方では同率です。視能訓練士のほうが高いのは、決まった手順を正確に回す向き方です。
ところが、満足の置きどころでは向きが変わります。11の項目のうち、視能訓練士のほうが高いのは7つ。作業療法士のほうが高いのは4つです。
- 視能訓練士が上に出るのは、労働安全・私生活との両立・良好な対人関係・達成感・自己成長・専門性・自律性。ただし自律性は、ほとんど並びます
- 作業療法士が上に出るのは、報酬・人の役に立つこと・外からどう見られるか・雇用や生活の安定性
下位版ではありません。 扱う範囲を広げたい人と、範囲を絞って続けたい人。数値の上で分かれているのは、そこです。
まとめ
- 「給料が安い」には答えられない。 金額はこのデータの外側。言えるのは、報酬を大事にしている度合いが6職業の上側にあることまで
- 「名前も知られていない」は、向き方なら言える。 外からどう見られるかは下側、人の役に立つことは6職業で最も低い。ただし良好な対人関係は上位
- 「検査室にこもるだけ」は、6職業を並べると裏返る。 手を動かして形にする向き方も、決まった手順を正確に回す向き方も、6職業の上位2つ
- 「独立も開業もできない」で答えられるのは、置きどころだけ。 裁量は下側、雇用や生活の安定性と労働安全は上位
- 「作業療法士の下位版」は違う。 6領域では作業療法士が広く、11項目では視能訓練士が7つで上に出る
5つのうち、まず切り離すべきなのは「外から返ってくるもの」と「続けやすさ」です。ここが混ざったままだと、どれも自分の話に見えます。
切り離したどちらを面談で先に出すかは、リハビリ・治療の転職エージェントの選び方に書いています。
この記事の根拠
数値の内訳をひらく
本文では数値を出さず、順位と上位・下位の言葉だけで書いています。元になった値をここに置きます。
比べた集合:リハビリ・治療に分類した6職業(視能訓練士・作業療法士(OT)・言語聴覚士・あんまマッサージ指圧師・柔道整復師・はり師きゅう師)。本文の「最も」「2番目」は、すべてこの6職業の中での順位です。他の業界や、job tag 全体の中での順位ではありません。理学療法士はこのサイトの区分では「医療・介護・保育」に入れていて、この6職業には含めていません。
職業興味(6領域)
- 手を動かして形にする(現実的):作業療法士 3.67 / 視能訓練士 3.61 / 柔道整復師 3.36 / はり師きゅう師 3.18 / 言語聴覚士 3.14 / あんまマッサージ指圧師 2.92
- 決まった手順を正確に回す(慣習的):柔道整復師 3.44 / 視能訓練士 3.33 / あんまマッサージ指圧師 3.10 / はり師きゅう師 2.99 / 作業療法士 2.96 / 言語聴覚士 2.90
- 調べて突き止める(研究的):はり師きゅう師 3.78 / 言語聴覚士 3.70 / 柔道整復師 3.57 / 作業療法士 3.49 / 視能訓練士 3.38 / あんまマッサージ指圧師 3.23
- 表現する(芸術的):作業療法士 3.27 / はり師きゅう師 3.02 / 言語聴覚士 2.73 / 柔道整復師 2.65 / あんまマッサージ指圧師 2.42 / 視能訓練士 2.05
- 人と関わる(社会的):言語聴覚士 4.39 / 作業療法士 4.24 / 視能訓練士 4.23 / あんまマッサージ指圧師 4.20 / 柔道整復師 4.08(はり師きゅう師と同値)/ はり師きゅう師 4.08。作業療法士との差 0.01 は同率として数えています
- 人を説得し、動かす(企業的):作業療法士 3.44 / 言語聴覚士 3.26 / 柔道整復師 3.17 / あんまマッサージ指圧師 2.95 / はり師きゅう師 2.94 / 視能訓練士 2.70
現実的と慣習的の上位2:現実的の上位2は作業療法士・視能訓練士、慣習的の上位2は柔道整復師・視能訓練士。両方に入るのは視能訓練士だけです(本文③)。
報酬(6職業):作業療法士 3.00 / 視能訓練士 2.70 / 言語聴覚士 2.68 / あんまマッサージ指圧師 2.67 / 柔道整復師 2.56 / はり師きゅう師 2.42(3番目・4番目との差は 0.02・0.03 で、本文の「ほとんど並びます」はここです)
社会的認知(6職業):柔道整復師 3.37 / 言語聴覚士 3.30 / 作業療法士 3.12 / 視能訓練士 2.91 / あんまマッサージ指圧師 2.86 / はり師きゅう師 2.66
奉仕貢献(6職業):柔道整復師 3.78 / 言語聴覚士 3.77 / 作業療法士 3.68 / あんまマッサージ指圧師 3.62 / はり師きゅう師 3.61 / 視能訓練士 3.55
良好な対人関係(6職業):柔道整復師 3.78 / 視能訓練士 3.70 / あんまマッサージ指圧師 3.58 / はり師きゅう師 3.55 / 作業療法士 3.47 / 言語聴覚士 3.27
自律性(6職業):はり師きゅう師 4.03 / 柔道整復師 3.98 / あんまマッサージ指圧師 3.87 / 言語聴覚士 3.66 / 視能訓練士 3.52 / 作業療法士 3.49
雇用や生活の安定性(6職業):作業療法士 3.61 / 視能訓練士 3.54 / 言語聴覚士 3.52 / あんまマッサージ指圧師 2.93 / 柔道整復師 2.90 / はり師きゅう師 2.71
労働安全(6職業):柔道整復師 3.86 / 視能訓練士 3.71 / はり師きゅう師 3.58 / あんまマッサージ指圧師 3.56 / 作業療法士 3.25 / 言語聴覚士 3.23
私生活との両立(6職業):柔道整復師 3.59(視能訓練士 3.59 と同値)/ あんまマッサージ指圧師 3.55 / はり師きゅう師 3.36 / 作業療法士 3.26 / 言語聴覚士 3.23
視能訓練士と作業療法士(仕事価値観11項目の突き合わせ)
- 視能訓練士のほうが高い7項目:労働安全 3.71/3.25、私生活 3.59/3.26、対人関係 3.70/3.47、達成感 3.61/3.47、自己成長 3.71/3.60、専門性 4.02/3.95、自律性 3.52/3.49(この 0.03 が本文の「ほとんど並びます」)
- 作業療法士のほうが高い4項目:報酬 3.00/2.70、奉仕貢献 3.68/3.55、社会的認知 3.12/2.91、雇用安定 3.61/3.54
順位の数え方:同じ値には同じ順位を与えています。0.01以内の差は同率として数え、それより大きい差だけを順位として読んでいます。 ⑤で作業療法士と「同率です」と書いたのは、人と関わる向き方の 4.24 と 4.23 の 0.01 差のことです(表示している桁では違う値ですが、この記事では同率として数えています)。本文で「ほとんど並ぶ」と書いたのは、差が0.05未満のところです。
このデータに含まれていないもの:給与・年収・労働時間・休日数・身体の負担・求人の数や需給・離職率・独立開業の可否・資格取得の難易度や合格率・年齢構成・病院やクリニックごとの違い。「報酬」「雇用や生活の安定性」「労働安全」「私生活との両立」は、いずれも「どれだけ大事にしているか」の値で、実際の金額や勤務の実態ではありません。能力・スキルも測っていないので、「務まるかどうか」もこのデータでは答えられません。この記事は、検査や訓練の効果、利用される方の状態について一切何も述べていません。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構)