データ入力の「やめとけ」、「打つだけ」が逆——表現する向きは事務11職業で1位

「自分の仕事をどう見ているか」を聞いた調査(厚生労働省 job tag)の値です。読み方

この記事の内容(3項目)

言われたとおりに打つだけだから何も残らない、と書いてある。 時給が上がらない、とも何度も見た。 そのうちAIに置き換わる、と結ぶ記事が多い。

読むほど手が止まって、結局そのまま閉じた。

言われている中身は、5つに分かれます。


「データ入力はやめとけ」の中身——手順の向きは、11職業の真ん中

#言われていることこのデータで見えること
言われたとおりに打つだけ同じ業界の11職業の中では逆に出ます
時給が上がらない求人票で確かめる
AIに置き換わって消えるこれは、この先の話です
何も積み上がらない向き方なら言える
人と関わらなくて済むから楽向き方なら言える

④⑤の「向き方なら言える」で言えるのは、いまこの仕事をしている人の関心がどちらに寄っているか、というところまでです。楽かどうか、積み上がるかどうかは、その外にあります。

比べている相手は、一般事務・オフィスワークに分類した11の職業です。一般事務・秘書・受付事務・営業事務・貿易事務・コールセンターオペレーター・生産、工程管理事務・通信販売受付事務・出荷、受荷事務・郵便局郵便窓口業務と、データ入力です。

人がいないことを条件の一番上に置いている人にとって、事務と呼ばれる職業の中では、ここが近い側です。ただしその位置には、積み上がる側の重みが下側にあることが一緒に付いてきます。

終わりが見えて、終わったことが分かる——その形の手応えを求める人には、噛み合う側です。打つ量よりも、打ち終わることに手応えを置けるかどうかが、最初の分かれ目になります。

① 言われたとおりに打つだけ——表現する向きで、次は受付事務

次に来るのは受付事務、その次が秘書です。どちらとも、はっきり差があります。

決まった手順を正確に回す向き方のほうは、11職業の真ん中でした。上には郵便局郵便窓口業務・秘書・コールセンターオペレーター・出荷、受荷事務が並びます。

手順の極みにある職業を11職業から選ぶと、上に来るのは別の職業です。

ただし、これは「工夫できる仕事だ」という意味ではありません。

② 時給が上がらない——報酬の重みは、11職業で下から4番目

時給も、雇用の形も、昇給の有無も、求人票に書いてあります。

近いところにあるのは、報酬を大事にしている度合いです。事務11職業の中では下から4番目にあります(郵便局郵便窓口業務と同率)。

金額ではなく、重みの話です。この職業の賃金が低いことを示す数値ではありません。

③ AIに置き換わって消える——これは、この先の話です

自動化の進み方も、仕事がどうなるかも、この先の話になります。

先のことが不安でここを見ているなら、ここで見えるのは、いまここに残っている人が何を上に置いているかです。

④ 何も積み上がらない——専門性の重みは、下から3番以内

専門性が積み上がること・自分の裁量で決められること・自己成長。この3つは、いずれも事務11職業の下から3番以内にあります。「積み上がらない」は、この3つの位置とは合っています。

例外が1つあります。やり遂げた手応えは、11職業の中で上から4番目です。

積み上がることと、区切りが付くことは、別の項目として動いています。

⑤ 関わらなくて済むから楽——関わる向きは、11職業の最下位

人を説得し、動かす向き方も最も低い側です(通信販売受付事務と同率)。社会や人の役に立つことを大事にしている度合いも、事務11職業の中でいちばん下でした。

ただし「楽」かどうかは、働いている人に聞く側です。 負荷も、疲れ方も、そちらで形が見えます。


興味の向き——一般事務・オフィスワークの11職業の中では、表現するが1位

手を動かす
4位
調べて突き止める
4位
表現する
1位
人と関わる
11位
人を動かす
10位(同率2)
決まった手順を正確に回す
5位

これは同じ業界の職業の中での順位です。ごくわずかな差は同率として数えています。

満足の置きどころ——いちばん高いのは私生活

1位
私生活
2位
労働安全
3位
対人関係

これは、その職業に就いている人が何を大事にしているかです。

まとめ——「打つだけ」が逆、「関わらないから楽」は前半だけ

  • 「言われたとおりに打つだけ」は、11職業に並べると裏返る。表現する向き方が最も高く、手順を回す向き方は真ん中
  • 「時給が上がらない」の賃金は、求人票で確かめる。ここで見えるのは、報酬を重く見ている度合いが11職業の下から4番目にあることです
  • 「AIに置き換わって消える」は、この先の話。ここで見えるのは、いまここに残っている人が何を上に置いているかです
  • 「何も積み上がらない」は、向き方なら言える。専門性・自律性・自己成長は下から3番以内。ただしやり遂げた手応えだけは上から4番目
  • 「人と関わらなくて済むから楽」は、前半だけ言える。人と関わる向き方は11職業で最も低い。楽かどうかは、働いている人に聞く側

打つ速さの話をしている人と、この先の話をしている人が混ざっています。決めるべきなのは、データ入力が楽かどうかではありません。人がいないことを先に取るのか、積み上がる側の重みを先に取るのか、です。

データ入力を含む11職業の業界で、どちらを先に取るのかを面談でどう出すかは、一般事務・オフィスワークの転職エージェントの選び方へ。


この記事の根拠

数値の内訳をひらく
項目回答の平均が高い順(左から)
表現する(芸術的)データ入力 2.87受付事務 2.71秘書 2.67営業事務 2.63一般事務 2.62生産、工程管理事務 2.53貿易事務 2.50出荷、受荷事務 2.41通信販売受付事務 2.27コールセンターオペレーター 2.04郵便局郵便窓口業務 2.00
決まった手順を正確に回す(慣習的)郵便局郵便窓口業務 4.07秘書 3.68コールセンターオペレーター 3.56出荷、受荷事務 3.55データ入力 3.43貿易事務 3.32通信販売受付事務 3.27一般事務 3.25営業事務 3.17受付事務 3.10生産、工程管理事務 3.00
人と関わる(社会的)郵便局郵便窓口業務 4.00コールセンターオペレーター 3.78秘書 3.65通信販売受付事務 3.41営業事務 3.38受付事務 3.35出荷、受荷事務 3.32一般事務 3.18貿易事務 3.08生産、工程管理事務 2.87データ入力 2.82
人を説得し、動かす(企業的)生産、工程管理事務 3.16営業事務 3.15秘書 3.13貿易事務 3.03受付事務 3.00出荷、受荷事務 2.91一般事務 2.89コールセンターオペレーター 2.82郵便局郵便窓口業務 2.74データ入力 2.63通信販売受付事務 2.63(データ入力と同率で最下位)

データ入力の残る2領域:手を動かして形にする(現実的)3.20(11職業で4番目)/ 調べて突き止める(研究的)2.87(4番目)

項目回答の平均が高い順(左から)
専門性が積み上がること貿易事務 3.50生産、工程管理事務 3.30秘書 3.25コールセンターオペレーター 3.02通信販売受付事務 2.91一般事務 2.85営業事務 2.82郵便局郵便窓口業務 2.78データ入力 2.73受付事務 2.57出荷、受荷事務 2.32
自分の裁量で決められること(自律性)生産、工程管理事務 3.30貿易事務 3.17秘書 3.14一般事務 3.10営業事務 3.02郵便局郵便窓口業務 2.96通信販売受付事務 2.83コールセンターオペレーター 2.82受付事務 2.76データ入力 2.73出荷、受荷事務 2.68
自己成長秘書 3.37貿易事務 3.31生産、工程管理事務 3.06通信販売受付事務 3.02コールセンターオペレーター 2.93受付事務 2.87郵便局郵便窓口業務 2.85一般事務 2.81営業事務 2.71データ入力 2.65出荷、受荷事務 2.50
やり遂げた手応え(達成感)通信販売受付事務 3.30貿易事務 3.09秘書 3.09データ入力 3.07生産、工程管理事務 3.06一般事務 2.93郵便局郵便窓口業務 2.93受付事務 2.89営業事務 2.84コールセンターオペレーター 2.79出荷、受荷事務 2.41
社会や人の役に立つこと(奉仕貢献)秘書 3.14郵便局郵便窓口業務 3.11受付事務 3.05通信販売受付事務 2.83一般事務 2.76生産、工程管理事務 2.72貿易事務 2.71コールセンターオペレーター 2.70営業事務 2.59出荷、受荷事務 2.59データ入力 2.40
報酬秘書 3.19営業事務 2.98貿易事務 2.91生産、工程管理事務 2.87一般事務 2.72通信販売受付事務 2.61データ入力 2.52郵便局郵便窓口業務 2.52受付事務 2.49コールセンターオペレーター 2.46出荷、受荷事務 2.36

比べている相手:一般事務・オフィスワークに分類した11職業(一般事務・秘書・受付事務・データ入力・営業事務・貿易事務・コールセンターオペレーター・生産、工程管理事務・通信販売受付事務・出荷、受荷事務・郵便局郵便窓口業務)。本文の「最も」「上から◯番目」は、すべてこの11職業の中での順位です。他の業界や、job tag 全体の中での順位ではありません。

順位の数え方0.01以内の差は同率として数え、それより大きい差だけを順位として読んでいます。

このデータに含まれていないもの:時給・年収・雇用の形・昇給・労働時間・休日・求人の数・自動化や業務システムの導入状況・これから仕事がどう変わるか・年齢構成・企業ごとの違い。「報酬」「専門性が積み上がること」「社会や人の役に立つこと」は、いずれも「どれだけ大事にしているか」の値で、実際の金額や勤務の実態ではありません。負荷や疲れ方も測っていないので、「楽かどうか」もこのデータでは答えられません。

出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「job tag」簡易版数値系ダウンロードデータ ver.7.00(最終更新 2026年3月17日/制作・著作:独立行政法人 労働政策研究・研修機構/当サイトの取得日 2026年8月13日)